33億円で購入の種牡馬ラムタラ、2750万円で英牧場に売却へ。

2006/07/05 07:38 Written by コ○助

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生涯に出走したレースはわずかに4戦。競走馬としては少ないキャリアながら、そのすべてのレースで勝利を収めた名馬ラムタラ。ただ「4戦無敗でキャリアを終えた」から名馬なのではなく、ラムタラは新馬戦(1994年)に続くデビュー2戦目にエプソムダービー(英G1,、レコード)、3戦目にキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス(英G1)、4戦目に凱旋門賞(仏G1)という、無敗のままヨーロッパの三大レースを制した史上初めての快挙を成し遂げた馬だったなりよ。海外の競走馬とはいえ、競馬が好きな人なら誰でも知っているといっても過言ではない名馬中の名馬なりね。

凱旋門賞を最後にスパッと引退したラムタラは、英国で種牡馬入り。初年度の種付けを終えた頃、馬産地で有名な北海道・日高の生産者や馬主らで作る「シンジケート・ラムタラ会」が、アラブ首長国連邦のシェイク・モハメド殿下からラムタラを購入したため、英国の地を離れ、遠い日本で種牡馬生活を送ることになったなりよ。その購入金額は約33億円。1株1億8000万円×41株のシンジゲートが組まれ、当時、馬産地としては低迷をしていた日高復興の切り札として大いに期待されていたなりね。

ただ、競馬界の世界では、名馬が必ずしも名種牡馬になるわけではないのは半ば常識。ラムタラも例外ではなく、残念ながら大きな活躍をする競走馬を世に送ることができなかったなりよ。参考までに、主な産駒をまとめておくなり。

・メイショウラムセス(中央G3 富士ステークス 2002年)
・ミレニアムスズカ(中央G3 阪神ジャンプステークス 2002年)
・マルカセンリョウ(交流G3 名古屋大賞典 2003年、交流G3 かきつばた記念 2004年)

重賞を勝った産駒はこの程度。とても「33億円で購入した名馬」の触れ込みに見合う成績とは言い難いなりね。なかなか成績を残すことができないラムタラは、最近は種付け料もずいぶんと安くなっていたようで、毎日新聞によると「当初1500万円だった種付け料も20万円と落ち込み、種付け頭数も初年度の112頭から今年は31頭に減った」というなり。何とも寂しい状態だったなりよ。

そして、日本ではもう種牡馬としての可能性が見出せなくなったからなのか、ついに日高を離れ、英国の牧場に売られていくことが決定したなり。その金額はわずか2750万円。日本に輸入する際の金額33億円から、実に125分の1程度にまで価値が下がってしまったなりね。かつての名馬と呼ばれた頃の面影はそこにはなくなってしまったなり。

日本はバブルの頃に世界中の名馬を買い漁っていた時期があり、種牡馬として成功できなかった名馬たちをポイ捨てのように扱う姿勢を海外から猛烈に批判されたことがあったなりよ。ラムタラで同じような過ちを繰り返してしまった日本の競馬界の姿勢に、再び海外から批判の声が出る可能性もありそうなり……。

当のラムタラは、環境が変わることでひょっとしたら活躍馬を輩出することができるかもしれないし、英国で「種牡馬・ラムタラ」が成功を掴むことができると信じたいなりね。とりあえず、おつかれさまでしたなり。

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