ウィルコム、デュアルキーボード搭載の「W-ZERO3[es]」発表。

2006/07/04 15:26 Written by コ○助

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昨年暮れのモバイル業界に大きな衝撃を走らせたウィルコムのシャープ製端末「W-ZERO3」。スライド式のQWERTY配列キーを搭載したPDA型の本体と、通話もできるスマートフォンとしての機能は、それまで日本の携帯電話やPDA界隈に足りなかったパーツを埋める、素晴らしい魅力を持った製品として、ウィルコムとしては久しぶりの大ヒット商品となったなりよね。

ただ、良い面がたくさんあることは認めつつも、実際に使用してみると不満点が徐々に出てくるもので、ユーザーからはさまざまな改善要望が出ているなりよ。その中のひとつ、PHSをモバイル環境の通話手段としてメインで利用しているユーザーから多かったのが、「W-ZERO3は片手に持って、耳にあてるには大きすぎる」というサイズの問題。PDA型としては「W-ZERO3」は決して大きいものではないなりが、携帯電話として考えたら、確かにかなり大型と言えるなりよね。

このあたりのユーザーの声をくみ取ったウィルコムは、「W-ZERO3」の登場から半年が経過した7月4日に、「W-ZERO3」の特徴だったスライド式のQWERTY配列キーなどの特徴はそのままに、新たな魅力を加えて小型化した「W-ZERO3[es]」を発表したなりよ。携帯電話の使いやすさと、「W-ZERO3」の使いやすさ、双方を取り入れることで導き出した結論は「デュアルキーボード」。どちらの操作感も活かせる、優れた製品に仕上がっているなり。

それでは簡単に「W-ZERO3[es]」のスペックや特徴をまとめておくなりね。

[W-ZERO3 es(シャープ製)]
・ダイヤルキーとQWERTY配列キーのデュアルキーボード端末。
・2.8インチ、VGA(640×480)表示対応のモバイルASV液晶を搭載(世界初)。
・OSはWindows Mobile 5.0 software for Pocket PC 日本語版。
・CPUはIntel PXA270プロセッサ 416MHz。
・本体メモリはフラッシュメモリが128MB、SDRAMが64MB。
・131万画素のCMOSカメラを搭載(接写モード付き)。
・Outlookに加え、片手で操作しやすいソフト「W-ZERO3メール」を搭載。
・外部メモリはminiSDカードスロット。
・外付けキーボードやUSBメモリなどの周辺機器をサポートするUSBホスト機能。
・日本語入力ソフトはIME、ATOK。
・連続通話時間は7時間。
・連続待受時間は約500時間。
・本体色はホワイトとブラックの2色。
・価格はオープンプライス。ウィルコムストアではSIMあり&機種変更は29800円(年契あり)と33800円(年契なし)、SIMなしは36800円。
・7月14日から予約開始。7月21日に発売予定。

最大の特徴はUSBホスト機能への対応によって、さまざまな機能拡張がはかれること。具体的に「開発中」として発表されたものには、次のようなものがあるなり。

[開発中の機能拡張]
・ブルートゥース (ヘッドセットなど)
・無線LAN(外付けタイプで提供)
・直接つながるプリンター(ペンタックスが開発。開発は終了しており、発売待機中)
・デジタルカメラと接続できる機能(デジカメの画像をPHSで転送できる)
・ワンセグの受信(小型アダプタで対応)
・プロジェクターへの出力(ダイレクトにVGA出力が可能)
・USBメモリ
・フルキーボード
・バーコードリーダー


[写真(PCのみ)]ワンセグ対応の外付けアダプタも実機で展示されていた。


[写真(PCのみ)]ビル・ゲイツ氏からの「異例」のメッセージも。


プリンターやワンセグ、キーボードなどは実機が展示されていたので、そう遠くない将来に実際に製品として市場にお目見えすることになりそうなりよ。こうした外部機器への対応は携帯電話ではまだ実現していないものがほとんどなだけに、ウィルコムのアドバンテージとしてアピールしていくこともできそうなりね。

コンパクトになって、機能充実の「W-ZERO3[es]」。発売が楽しみなり。

☆質疑応答から

Q.USBメモリホスト機能に対応する周辺機器は、ウィルコムブランドで発売されるのでしょうか。

A.各メーカーさんのブランドで発売されます。ウィルコムは仲介という立場。

Q.W-SIMへの参入メーカーが少ないことについて、どのように考えているのでしょうか。

A.現在はシャープ、バンダイ、ネットインデックスの3社に端末を作っていただいています。会社によって開発のスピードが違うのでなかなか出てはきませんが、これ以外にもいろいろな形での開発には取りかかっています。今後、メーカーは増えていくはずです。

Q.パーソナルモバイル市場に対するシャープの取り組みは今後どうなっていくのでしょうか(ザウルスとか、メビウスとか)。

A.ザウルスにつきましては、「W-ZERO3」のような商品とは違って、HDDを搭載したりしています。今年も新機種を出しました。W-ZERO3と重なる部分もありますので、この辺の売れ行きを見ながら、今後のトータルの戦略を検討していきたいとは思っています。

Q.ウィルコムにとって、データ通信と音声通信をつなぐ[es]の位置づけはどのようなものなのでしょうか。また、シャープ以外のメーカーから[es]のコンセプトに基づいた端末が出てくることはあるのでしょうか。

A.シャープとの連携について。ずっと一緒にやってきたから、という意味でひいき目に見ているのかもしれませんが、開発のスピードが非常に速いと思っています。今回の端末もものすごいスピードで開発していただきました。「シャープさんだからできた商品」だと思いますので、ウィルコムが改革してきた「W-ZERO3ブランド」に関しては、シャープさんだけと考えており、他社については考えていません。

Q.シャープはこのコンセプトをほかのキャリアで展開する考えはありますか?
これまでマイクロソフトとウィルコムの協業でやってきましたが、現時点ではほかのキャリアとは考えていません。シャープのスピードはウィルコムのスピードに引っ張られてのものであり、マイクロソフトの支援があってのことなので、シャープとしても感謝しています。

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