なにか分からないことを質問すると、見知らぬ誰かが答えを教えてくれる。古くからインターネットの世界では繰り広げられてきた草の根のやり取りを体系的にまとめ、「Q&Aサービス」として展開している「OKWave」。この名を聞いてもパッとイメージが湧かない人も多いと思うなりが、ポータルサイト「goo」の人気コンテンツである「
教えて!goo」のシステムを支えているサービスと言えば分かりやすいかもしれないなりね。コ○助も自分で検索して答えが見つからないような調べごとをしているときには、たまに「教えて!goo」を利用するなりが、必ずしも明快な回答が返ってくる保証はないものの、助けられることの多いサービスなりよ。
「OKWave」のシステムは「教えて!goo」だけでなく、エキサイトの「
excite 質問広場」や、
明治製菓、
松下電器産業、
東京ガスなど、さまざまな企業のサポートページにある「Q&A」コーナーにも導入されているなりよ。ポータルへの導入だけでなく、こうした事例も増えているようなり。
そんな「OKWave」を運営しているのは今年1月に社名をオーケイウェブから変更したオウケイウェイヴ。6月20日に名古屋証券取引所セントレックスに上場したばかりの勢いのある会社なりが、この会社の創業者で現社長の兼元謙任氏は一風変わった経歴の持ち主で、その筋では有名な人物なりよ。日本経済新聞に会社設立までの経緯やなぜ「Q&Aサービス」なのかといったことに答えたインタビューが掲載されていたので、少し見ておくことにするなりね。
「芸術大学を出てから、身体障害者向けの製品デザインに取り組んだりもしました。現在のQ&Aサイトの原型は1999年に考えましたが、身体障害者向けに無料で利用できるコミュニティーサイトを作ろうと思ったのがきっかけです」
「自分で身体障害者向けの製品デザインをする事業をしたのですが、これがうまくいきませんでした。銀行から借金したということではないのですが、たくさんの個人からお金を借りてしまっていて、97年に逃げるように高速バスに乗って東京に来ました」
「東京に来るときにあったお金は仕事用のノートパソコンを買ってなくなったために、とても家は借りられません。ノートパソコンを持って、駅の周辺や公園のトイレ、ドーナッツショップで追い出されるまでコーヒー1杯で粘ったりしました」
「寝袋を持って、友人の家に泊めてもらったり、公園で寝たりということが結局2年間続きました」
ベンチャーと呼ばれる企業が雨後の竹の子のように誕生しているIT業界ではあるなりが、路上生活からはい上がってきたというエピソードはあまり聞いたことがないなりよね。ましてや、上場企業にまで成長させたとなると、極めて稀なケースと言えそうなり。それにしても、地元の名古屋に妻子を残し、ノートパソコンを購入したらなくなってしまう程度の資金を持って上京。2年間も路上生活を続けたというバイタリティは単純に凄いなりよね(笑)。
「Q&Aサービス」はようやく認知度が高まってきた段階で、これからまだまだ伸びると見られているサービス。今後、「OKWave」がどのような成長を見せてくれるのか、楽しみなりね。