救済金が届くまでは! ハリケーン被害の町長が立てた誓い。

2006/06/21 04:05 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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昨年8月末にアメリカ南部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」。1,600人以上の死亡者、その数を上回る行方不明者を出したこの災害は、今でもあちこちでその痛手を残しています。

ミシシッピ州にあるベイ・セントルイスでも、町全体の 70% 以上の家屋が破壊され、その破損物がいまだに撤去されていない状態。小さな町の予算ではとてもじゃないけれどその作業費がまかなえないからです。災害前の約8,000人の住民はまだ3割程度しか戻ってきておらず、町の経済活動も激減。州や連邦政府からの救済金がなければ、町の復興がありえない状態なのです。

ベイ・セントルイスの町長、エディー・ファヴレ氏もハリケーンで家が全壊。それこそ身に着けていたシャツとバミューダ・パンツ(半ズボン)のみが手元に残ったそう。全てを失い悲観にくれてもおかしくない状態なのですが、彼には町長としての仕事があります。彼はとっさに個人の不運を、町のために役立てることを思いつきました。

「ベイ・セントルイスに救済金が届くまで、このバミューダ・パンツをはき続ける」

それがファヴレ氏が立てた誓いです。それ以来、仕事で普段ならスーツを着なければならない時にも、ずーっとこの半ズボンをはいて人前に登場することにしているんだそう。実際、とある集会ではタキシード着用と決められていたのに、上だけ正装で下はいつも通りのバミューダ・パンツで出席。その奇抜な格好に人々の失笑を買ったそうですが、この注目を逆に利用して救済金援助をその場で訴え、最後は拍手喝さいだったとか。

この彼のたった1人の運動がいつか近いうちに実を結ぶことになることを祈らずにはいられません。

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