英音楽誌NME「古今最高のアルバム」ベスト20発表、1位はオアシス。

2006/06/02 22:00 Written by コジマ

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英音楽専門誌のNMEが、公式UKチャート50周年を記念して、過去のUKチャートを掲載している「British Hit Singles & Albums」(SinglesとAlbumsは別の本)とともに行った「古今最高のアルバム(Best album of all time revealed)」の投票結果を発表し、ビートルズやレディオヘッド、ニルヴァーナを抑えてオアシスのデビュー・アルバム『オアシス(Definitely Maybe)』が1位に輝いたのだ。セカンド・アルバムの『モーニング・グローリー』も5位に選ばれている。

傲岸不遜な態度のわりに敬虔なビートルズ信者であるギャラガー兄弟が、マッドチェスターの終焉後、スラッシュなどのハードロックが流行していた音楽シーンに懐古主義的に投げかけ、ブリット・ポップの時代を切り開いたアルバムが、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』や『リボルバー』を押しのけて1位を獲得したのだ。NMEはいつもオアシスを持ち上げるけど、このアルバムはたしかに素晴らしいのだ。「ロックンロール・スター」や「シェイカーメイカー」、「リヴ・フォーエヴァー」、「スーパーソニック」、「シガレッツ・アンド・アルコール」、「スライド・アウェイ」など今でもライブでガンガンにパフォーマンスしている名曲ばかり。個人的には5位に入った『モーニング・グローリー』のほうが好き(というか、オアシス最高のアルバムだと思っているのだ)だけれど、衝撃度でいったら最初に出た『オアシス』にはかなわないのだ。

2位に入ったビートルズの『サージェント・ペパーズ〜』は、なんといってもQ誌の特集「ナショナル・アンセム」で1位に選ばれた「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」が収録されていることが大きいのだろう。英国内で以前から最高傑作といわれている『リボルバー』を破っての堂々の2位なのだ。ビートルズは、一般に「ホワイトアルバム」と呼ばれている『ザ・ビートルズ』が13位、最後の作品『アビイ・ロード』が14位と、4枚も選ばれている。また、レディオヘッドも『OKコンピューター』が4位、『ザ・ベンズ』が10位と、トップ10に2作品が入ったのだ。

そのほか、こうしたランキングで常連のニルヴァーナ『ネヴァーマインド』が6位、以下、ザ・ストーン・ローゼズの『ザ・ストーン・ローゼズ』、ピンク・フロイドの『狂気(Dark Side Of The Moon)』、ザ・スミスの『クイーン・イズ・デッド』が続いている。オアシスの楽曲へ影響を与えたビートルズ、ストーン・ローゼズ、スミスがトップ10にランキングされているのが面白い。パンクでは12位にザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』、16位にセックス・ピストルズの『勝手にしやがれ(Never Mind The Bollocks Here's The Sex Pistols)』が選ばれている。

最近のミュージシャンも2組入っており、今やゴシップスターとなったピート・ドハーティ(ベイビー・シャンブルズ)と、ダーティ・プリティ・シングスを結成したカール・バラーが在籍していたバンド、ザ・リバティーンズのデビュー・アルバム『リバティーンズ宣言(Up The Bracket)』が15位、ザ・ストロークスのデビュー・アルバム『イズ・ディス・イット』が20位となっている。うーん、リバティーンズやストロークスは、もはや伝説の域に達しているのだろうか。彼らがランクインするんだったら、ホワイト・ストライプスの『ホワイト・ブラッド・セルズ』も入れてほしかったのだ。

英国ではこうしたランキングをいつもやっているイメージがあり、いつも同じメンバーが占めているような気がするけど、毎回のようにローリング・ストーンズやブラーは選ばれないのだ。ビートルズとオアシスを偏重するNMEの姿勢が、英国中に蔓延しているのだろうか。あ、でもよくランクインするザ・フーやキンキスの姿がないなあ。


☆Best album of all time revealed

1. オアシス 『オアシス』
2. ザ・ビートルズ 『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』
3. ザ・ビートルズ 『リボルバー』
4. レディオヘッド 『OKコンピューター』
5. オアシス 『モーニング・グローリー』
6. ニルヴァーナ 『ネヴァーマインド』
7. ザ・ストーン・ローゼズ 『ザ・ストーン・ローゼズ』
8. ピンク・フロイド 『狂気』
9. ザ・スミス 『クイーン・イズ・デッド』
10. レディオヘッド 『ザ・ベンズ』
11. U2 『ヨシュア・トゥリー』
12. ザ・クラッシュ 『ロンドン・コーリング』
13. ザ・ビートルズ 『ザ・ビートルズ』
14. ザ・ビートルズ 『アビイ・ロード』
15. ザ・リバティーンズ 『リバティーンズ宣言』
16. セックス・ピストルズ 『勝手にしやがれ』
17. レッド・ツェッペリン 『レッド・ツェッペリンIV』
18. デヴィッド・ボウイ 『ジギー・スターダスト』
19. クイーン 『オペラ座の夜』
20. ザ・ストロークス 『イズ・ディス・イット』

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