ドラッグ･ストアにあるサプリメント･コーナーを覗くと、必ず目に付くDHAやEPAといった言葉。そういえば体にいいのはなんとなく判るけど、これって一体何だったっけ……？ 調べてみるとこれらは必須脂肪酸と呼ばれるもので、生命活動に必要だが、体内で合成できないので外部から摂取する必要のある大切な栄養素。数ある必須脂肪酸の中でも、アルファ･レノイン酸、エイコサペンタエン酸（EPA）、そしてドコサヘキサエン酸（DHA)の3つはオメガ3脂肪酸とグループ分けされています。

さてこのオメガ3脂肪酸、とくにEPAとDHAは魚油に多く含まれていることが知られていますが、現代社会の食生活では、一日の生活にその必要な摂取量を十分に取ることが出来ないといわれています。特に西洋では日本ほど魚を中心とした食事は一般的ではないし、魚嫌いの人も多い。ウォール家もダンナの好みでお肉ばっかりだし、DHAもEPAもサプリメントのお世話にならなかったら、摂取不可能ですねぇ（笑）。

ところでオーストラリアでは今、このオメガ3脂肪酸をたくさん含んだ豚肉の開発が進められているとか。南オーストラリア大学の研究グループが取り組んでいるこのプロジェクトは、魚や値段の高いサプリメント以外からもDHA･EPAが摂取できるようにならないか、と立ち上げられました。責任者のピーター･ホウ教授によると、オーストラリア人の間ではオメガ3脂肪酸の摂取量は必要とされるそれのたった1/3だとか。しかし身近な食材である豚肉にその栄養素を加えることで、将来的にはもっと手軽にそれが摂取できるようになるのではないかと考えているそうです。

ちなみにどうやって豚肉にDHA･EPAを含ませるのか……といいますと、そのカラクリはいたって簡単。食肉用の豚に魚をたっぷり食べさせるのだとか（笑）。12年を費やしているこのホウ教授の研究は、今臨床実験の段階だそうで、実際にこの「オメガ3豚肉」を人々に食べてもらい、体内にどれだけその脂肪酸が増えているか、目下観察中だそうです。