「科学のオリンピック」に埼玉県の女子高生が入賞。

2006/05/18 09:47 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカの学校生活でおなじみなイベントのひとつに「サイエンス・フェア」と呼ばれるものがあります。これは日本でいう夏休みの自由研究の展示会のような感じで、生徒が好き好きに科学をテーマに研究をしてそれを発表します。よく米ドラマのワンシーンで親が子供の宿題の手伝いをさせられ、火山の模型を作る場面が出てきますが、コレは「サイエンス・フェア」ではなぜか定番といわれている出品アイテムなのです。

さてこの普通なら学校レベルで行われるサイエンス・フェアを、全世界レベルで主催しているのが、米インテル社。国際学生科学フェア(ISEF)と呼ばれるこの大会は、2000年から毎年世界各国の大学入学以前の学生(個人又は団体参加)を対象に作品を募り、優秀作品にはコンピューター等の賞品や奨学金などを授与しています。ちなみにその賞金総額は$4,000,000 (日本円にして約4億4,000万円)にもなるそうです。

2006年度の ISEF は47カ国、1,500人近くの生徒から出品がありました。作品は社会行動学、生物化学、植物学、化学、コンピューター・サイエンス、地球学、工学、環境学、数学、医療健康学、ミクロ生物学、物理学、宇宙学、動物学、とそれぞれの分野にカテゴリ別けされ、その中で優秀なものには賞が与えらる仕組みになっています。

さて動物学カテゴリでは日本の埼玉県立浦和第一女子高等学校の3年生、下山せいらさんが1等賞を受賞。惜しくも同部門の最優秀賞は逃しましたが、$3,000 の奨学金を手にしました。

彼女の研究テーマは "Glycogen Induces Extension of Pharynx During Feeding in Planarian" という、これまた難しいタイトルなのですが、プラナリアの成長過程における接触機構の育ち方にグリコーゲンがどう影響するのかということを発表したそうです。プラナリアといえば生物の教科書によく紹介されている半透明の生物でしたよね。あの切るとそこから再生するという、アレです。妙に目が可愛らしいの(笑)。

何はともあれ、世界中の科学大好きな高校生たちが競う「科学のオリンピック」で日本の学生が活躍してこうやった受賞をしたというのは嬉しいかぎり。下山さんには今後も頑張ってもらいたいものです。

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