本格的な料理でもマナーにうるさくない店で食べられるようになった昨今、いざ、結婚式や接待の場で困ってしまうことが多いのではないだろうか。そんな普段意識していないマナーについての調査をNIKKEIプラスワンが「何でもランキング」で調査したところ、知らずに注意されたことや分からずに困った経験が和洋中を問わず多岐にわたっていることが判明。1位は「中華料理店の回転テーブルの回し方」だったそうなのだ。
調査はNIKKEIプラスワンが調査会社のマクロミルを通じて、4月下旬、20〜60歳の男女を対象(有効回答数1032)に行われた。その内容は、これまでの経験で分からずに困ったことがあったり、知らずに注意されたりしたことがあるマナーについて、50の選択肢から5つまでを選んもらったそうなのだ。
1位だった「中華料理店の回転テーブルの回し方」の正しい答えは、「主賓に料理を先に取ってもらい、最初に料理が行き渡るまでは時計回しにする」のだそう。この項目を選んだ人は、157人にものぼった。うーん、これは全く知らなかったし、意識もしていなかったなあ。記事にある「選択肢を見て知った人も多かった」というのもうなづけるのだ。ただし、これは回転テーブルが発明された日本だけのものなのでご注意を。
2位は、142人が選択した「テーブルの着席はいすの左側から入る」。これは「右方上位」という国際マナーから来るものだそうで、右側を空けるのがマナーだそうなのだ。「右にいたボーイとぶつかってしまった」という失敗談も掲載されている。
ぼくが一番驚いたのは、3位の「和食で手のひらを食べ物の下に添えて食べない」。汁などがたれないように箸の下に「手皿」を添えるのはNGで、正解は「食器を持つ」のだそう。刺身はしょうゆ皿を持って食べるのが正しいというから、これはホントに驚きなのだ。
5位の「上座、下座をわきまえて着席する」も曖昧なところ。さすがに和室では上座が分かりやすい(床の間のあるほう)ので間違わないけど、洋室にも上座・下座があるなんて知らなかったのだ。ちなみに、洋室の上座は入り口から遠い席なのだそう。iタウンページの「
社会人基本マナー」には、食事の場面だけでなく応接室や会議室、車、電車などの席次も掲載されているので、ご参考までに。
左手で茶碗を持つことだけを耳にタコができるほど言われた以外、特にマナーについてうるさくない家庭に育ったぼくにとって、結婚式や高級店はまさに恐怖の的。まだ20代のころは「ナイフとフォークって内側と外側どっちから使うんだっけ? まあいいや」なんて言ってたのだけれど、30を過ぎるとさすがに恥ずかしい。そういった席に座ると借りてきた猫のようになり、隣の人の行動をチラ見しながら真似しているのだ。
大人になるとそういった席での振る舞いで人物を判断されちゃうときもある。個人的な用件ならいいけど、接待での失敗が取り引きの不成功につながったら目も当てられないのだ。そうした失敗をしたくない人や気になる相手の前でかっちょよく振る舞いたい人は、下記のランキングを見てしっかり勉強しておいたほうがよさそうなのだ。
●意外と知らない食事マナーランキング(カッコ内は回答数)
1. 中華の回転テーブルは「時計回り」に (157)
2. テーブルの着席はいすの左側から入る (142)
3. 和食で手のひらを食べ物の下に添えて食べない (138)
4. 焼き魚などをひっくり返して食べない (130)
5. 上座、下座をわきまえて着席する (110)
6. バイキング料理は食べきれる分だけ皿にとる (109)
7. グラスをかちんと合わせて乾杯しない (89)
8. フォークとナイフを端から順番に使う (80)
9. ワイングラスを持ち上げたまま注いでもらわない (79)
10. 和食のふたなどを重ねて置かない (73)
11. テーブルの上にひじをついたり足を組んだりしない (72)
12. 正しい手順でワインをテイスティングする (67)
13. 落としたフォークやナイフを自分で拾わない (66)
14. おかわり自由のパンを食べ過ぎない (56)
15. 大皿料理は主賓か目上の人からとってもらう (53)
※ランク外に「生ハムメロンの食べ方が分からず困った」「土瓶蒸しの食べ方が分からなかった」「フィンガーボールは手を洗うのに使う」など