まだまだ認知度は低いなりが、徐々に名前を聞く機会が増えてきた「トライク」という乗り物をご存知なりか? 「トライク」は前輪が1つ、後輪が2つのバイクのこと。そう聞くと単なる三輪スクーターのようなイメージを抱いてしまうなりが、「トライク」は自動車とバイクの良いところを併せ持ち、かつ三輪スクーターとは決定的に迫力が違う新しいタイプの乗り物なりよ。最近この「トライク」が、主に中高年の間で流行の兆しを見せているというなり。
実際に公道を走っている「トライク」を見たことがなくても、もし野球に興味がある人なら、「トライク」を一度は目にしたことがあるかも。今年のパ・リーグ開幕戦、日本ハム−楽天戦のセレモニーの中で、新庄剛志外野手が登場するときに乗っていた三輪バギーのような乗り物、あれがハーレー・ダビッドソンを改造した「トライク」だったなりよ。この登場シーンはスポーツニュースでも盛んに放送されていたので、記憶に残っている人も多いのでは。
「トライク」が人気を呼び始めているのは、もともと大型バイクを改造して三輪にしたものなのに、大型バイクの免許が必要ないのが大きな理由。普通免許さえ持っていれば、普通に公道を走ることができるなりよ。そのため、ハーレーのような大型バイクへの憧れを抱きつつも、大型バイクの免許取得には至らなかったオジサマたちがガッツリ食い付いてきているなりね。もちろん、三輪なので大型の二輪よりも安定感があり、転倒しにくい(=運転しやすい)ところも、オジサマが購入の際に奥さんを説得しやすい材料になっているようなり。
また、道路運送車両法上では「側車付き自動二輪車」に分類されるため、車庫証明が不必要で、高速道路などはオートバイ料金で走ることができるなりよ。一方、道路交通法上では「普通乗用車」に分類されるため、運転時にヘルメットの着用義務がないという気軽さも(※死亡事故も発生しているので、当然付けたほうが良いなりが)。まさに自動車とバイクの良いところを融合したのが「トライク」というわけなり。
ただ、ベースとなるのが大型バイクなので、価格のほうはそれなりにお高め。大型バイク代+改造代で500万円を超えるものもザラだというなりよ。それでも1995年には年間40台ほどしか販売されていなかったものが、2005年は年間200台前後まで急増。まだまだ自動車やバイクに比べるとけた違いに販売台数が少ないなりが、団塊の世代が大量に退職する2007年には「大人の趣味」のひとつとして、大ブレイクするのではないかとの期待が高まっているなり。
そう遠くない将来、公道を「トライク」が走る姿が珍しいものではなくなる日が来るかもしれないなりね。