アナタなら挑戦する? 森林を100マイル走るウルトラ・マラソン。

2006/04/16 13:53 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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「ウルトラ・マラソン」という言葉をご存知ですか? 「ウルトラ・クイズ」じゃありません。26.2マイル(42.195キロ)を走るのはフル・マラソンですが、それ以上、それこそ上限ナシの距離を走るレースをウルトラ・マラソン、またはウルトラ・レースと呼ぶのだそうです。有名なのがカルフォルニアで開催される "Western States Endurance Run"、コロラドの "Hardrock 100" など。通常マラソンの4倍近い距離、100マイル(160キロ)を、それこそ2〜3日かけて走るレースが「人気」なんだとか。

近年注目を浴びているスポーツで、専門誌なども発行されているんですが、しかし何が嬉しくてそんなに過酷な距離を走るんだぁ!? ウォール真木もランニングはしますけど、自己の最長距離はまだハーフ・マラソンどまり。それの約8倍っすか? ありえねー(笑)。

さて、そのウルトラ・マラソンの中でも特に難しいといわれているのがテネシー州で開催される「バークレイ・マラソン」。なんでも1986年から毎年開催されているこのレースは20年間の歴史の中、完走者がたったの6人しかいないそう。「フローズン・ヘッド州立自然公園」なる1周20マイルのコースを5周しなければいけないのですが、その制限時間は60時間。

何がそんなに過酷かというと、まずコースのほとんどには道が無く、森の中を地図とコンパスを頼りに走るのです。木の枝などでむき出しの足が引っ掻かれ、それこそ血だらけになるほどだとか。さらに通常マラソンのように給水ポイントもほとんどありません。途中で棄権したい場合も1人でスタート地点まで自力で帰るしか方法がナシ……などなど、その厳しい条件は下手すると死者も出そうなほど。冗談では済まされないレベルです(汗)。

それでも毎年、定員35という限られた参加者枠は常に満員状態に。体力に自信のあるランナーや、戦場で生死隣りあわせで体を鍛えてきた軍人など、すごい強靭アスリートが集まるそうです。そして今年も4月1日のエイプリルフールにレースがスタート。しかしたとえ走るのが大の得意の人々でも、参加者33人の内1周目をクリアしたのが22人、2周目はたったの5人だったとかで、完走者は今年は残念ながらゼロ。うーん……。

以前完走したことのあるランナーの話では、5周目に入った時点で、疲労のため意識が遠のいてしまい、幻覚状態に陥ることもあるとか。さらに自分が「どうしてそこで走っているのか」さえも思い出せないこともあるそう。本当になぜそんな過酷なレースに出場するのか? という質問には

「いやあ、やっぱりクレージーだからじゃない?」

と笑って答えたそうです。……まあクレージーだという自覚はあるのが幸いですか(笑)。


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