悪質な違反は検挙、自転車取り締まり強化へ。

2006/04/14 12:18 Written by コジマ

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二人乗り、信号無視、酒酔い運転――自転車は車と違って交通切符を切られることが少ないので、こうした違反を目にする機会が多いのだ。しかし、警察庁によると、昨年の歩行者や車と衝突するなど、自転車が絡む交通事故は約18万件にものぼり、10年前と比べて1.34倍となっている。こうした事態を重くみた同庁は13日、酒酔い運転や信号無視など悪質な違反を繰り返す運転者に対し、刑事処分につながる「赤切符」で積極的に摘発する取り締まり強化策を発表したのだ。

昨年1年間の自転車関連交通事故は18万3653件。1995年の1.34倍に達し、交通事故全体の19.7%を占めている。このうち死傷者は18万530人で、7割近くが一時停止や信号を無視した交通違反が原因だったのだとか。

自転車は道路交通法上で軽車両と位置づけられており、交通違反した場合は自動車と同じように罰則が設けられているのだ。例えば、
・ 一時停止違反……3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金・過失罰あり
・ 歩行者通行妨害……2万円以下の罰金又は科料
・ 信号無視……3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
・ 二人乗り……2万円以下の罰金又は科料
・ 夜間無灯火……5万円以下の罰金・過失罰あり
・ 酒酔い運転……3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
このほか、携帯電話で通話しながらの運転は、安全運転義務違反になる場合があるのだそう(警視庁公式サイトより)。

こうした罰則が設けられているにもかかわらず違反者が絶えないのは、実際に検挙することはまれで、事故につながらない限り注意や警告にとどめていたため。仮に検挙して送検しても、不起訴になる確率が高いそうなのだ。

今後は、自転車の交通違反に対する街頭での指導や警告と強化し、警告を無視した場合や、歩行者や他の車両に危険を与えた場合、明らかな酒酔い運転には積極的に「赤切符」(交通切符)で摘発するとのこと。また、実効性を高めるために検察庁や家庭裁判所にも連携を求め、不起訴処分にならないようにするそうなのだ。

来月は自転車業界団体が行う「自転車月間」に該当し、警察庁は交通マナーの向上を呼びかけるとともに、重点的に取り締まりを行う方針。自転車の違反や暴走は歩行者にとって非常に迷惑な半面、取り締まりはグレーな部分が多かったので、今回の強化は歓迎できること。人通りの多い場所ですごいスピードを出し、ぎりぎりで人を避けていく運転者も積極的に取り締まってほしいのだ。

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