エミネムの親友でD12のメンバー、プルーフが射殺される。

2006/04/12 11:37 Written by コジマ

このエントリーをはてなブックマークに追加


トゥパックとノートリアスB.I.G.の命を奪った「東西抗争」が沈静化してきたヒップホップ界だけど、またしても悲劇が起こってしまった。エミネムの親友で、D12の中核メンバーであるプルーフ(本名ドゥーション・ホルストン)が11日、米デトロイトのクラブで射殺されたのだ。頭を撃ち抜かれて即死だった。

プルーフは11日の早朝、本人も出演したエミネムの自伝的映画「8マイル」(カーティス・ハンソン監督)で描かれていた8マイル・ロードに面したクラブ「Triple C」の外で銃弾を頭に浴び、搬送先のコナー・クリーク医療センターで死亡が確認された。

ダーティ・ダズンとも呼ばれるD12は、エミネムがソロデビュー前から活動していたMCグループ。メンバーはエミネムとプルーフのほか、ビザール、スウィフト、コン・アーティス、クナイバの6人で、1990年に結成された。ウェストコーストの首領といわれるドクター・ドレにエミネムが見出されスターダムにのし上がると、D12もブレイク。エミネムのソロ作品とは違う、仲間同士でワイワイやるヒップホップの原点のような楽曲が人気を博したのだ。

そうした気心の知れたメンバーのなかでも、1月にキンバリーと再婚(4月に再度離婚)した際に付添人を務めるほどエミネムに信頼されており、D12の中核を担っていたプルーフ。エミネムの悲しみは計り知れないだろう。昨年8月には、太っちょの人気者ビザールに続いてアルバム『サーチング・フォー・ジェリー・ガルシア』でソロデビューも果たしていた。

さらに、現場で一緒にいたもう1人の男性も銃撃を受けて病院に搬送され重体との情報が入っているそうで、bounceによると、それはビザールだという。もしこれが本当で、ビザールまでも亡くなるようなことになれば、エミネムは心から頼りにしている友達と可愛がっていた友達を同時に失うことになるのだ。

90年代、ドクター・ドレやトゥパック(・シャクール)、スヌープ・ドッグらデス・ロウ(西海岸)とパフ・ダディ(現ディディ)やノートリアスB.I.G.(ビギー・スモールズ)らバッドボーイ(東海岸)のレーベル同士が争う「東西抗争」が勃発し、それぞれトゥパックとビギーを失うという最悪な結果を迎えたのだ。近年はドクター・ドレの努力が実り、50セントとナズなどの個人的な中傷合戦(ビーフ)を除いて組織だった対立は目立たなくなっていたのだけれど、RUN DMCのジム・マスター・Jが射殺されるなど、ヒップホップスターの銃を介した事件は続いていた。

最近も、昨年12月にエミネム主宰のレーベル「シェイディー・レコーズ」に所属するラッパー、オビー・トライスが、同じくデトロイトで車の運転中に銃撃を受けて重傷を負ったばかり。エミネムやプルーフらD12の成功を妬む地元民の仕業かもしれないのだ。

これからもこうした悲劇は繰り返されてしまうのだろうか。あの“オレ様”のエミネムが弱気に引退をほのめかしたのは、今回のような事態に至ることを予想していたのかもしれない。エミネムの悲しみやいかばかりか……。プルーフの冥福とともに、ビザールとおぼしき男性が救われることを祈るのだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.