世界三大宗教のひとつ、イスラム教。その教義によると、信者には五行が課されており、そのひとつが「礼拝（サラート）」です。これは聖地のカアバ神殿の方向に向かい、夜明け（ファジル）、正午（ズフル）、午後（アスル）、日没（マクリブ）、夜半（イシャー）の1日合計5回行われます。家庭やオフィスで1人で行ってもOKなんだそうですが、金曜日は礼拝堂（モスク）に集まって少なくとも1回はしないといけないそうです。

しかし1日5回とは、信仰心の深さを感じさせます。イスラム教徒にとってこの礼拝は本当に生活の一部になっているのでしょうねぇ。ところでこのイスラムの人々の生活習慣を考慮して、イタリアの衣料メーカーが新しいジーンズをデザインして発売したそうです。

イタリア北東に本社を置くアルクッズ社。ここでは礼拝の妨げにならないよう、着心地のよさを重視し、ゆったりとした作りのデザインをジーンズに起用。お祈り時に外す装飾品を入れる特別ポケットも付けられており、さらに縫い糸はイスラム教で「神聖な色」とされるグリーンだそう。同社によると特にこだわったのが「作成に関わった人々がイスラム教徒であること」とのことで、現在パキスタンの工場で15,000人のイスラム系従業員がジーンズ縫製に関わっているそうです。

この製品、大手の小売チェーン店「カルフール」で販売されることになり、価格も18.90ユーロ（日本円で約2,700円）と良心的な値段。イタリア国内には1,100,000人、そして欧州全体では18,000,000人ものイスラム教徒がいるといわれています。この市場に対し果たしてこの特別ジーンズ、受け入れられるかどうか？あとデザインのオシャレ具合によっては、イスラム教徒以外の人々に受け入れられることもありえそう。なんだか今後が楽しみですね。