WBCで好投の上原浩治投手を米メディアが絶賛。

2006/03/20 09:08 Written by コジマ

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18日(日本時間19日)に米カリフォルニア州サンディエゴにあるペトコパークで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝で、韓国に“三度目の正直”で勝利した王監督率いる日本代表チーム。この試合で先発し、7回を3安打、8奪三振、無四球の無失点で完封勝利につなげた上原浩治投手(巨人)に、米国のメディアが惜しみない賛辞を送っているそうなのだ。

メジャーの視点から見た昨日のヒーローは、先制2点本塁打を放った福留孝介外野手(中日)でも、ダメ押し適時打を浴びせたイチロー外野手(シアトル・マリナーズ)でもなかった。1、2次予選で、10回を2本塁打を含む14安打、3失点と本調子じゃなかった上原投手が準決勝で燃えたのだ。7回を無失点で乗り切り、最後の打者を討ち取ると無言のガッツポーズ。この試合に賭けていたことが十分にうかがえた。そんな上原投手の力投を、米大リーグ公式サイトMLB.comが絶賛しているのだ。

MLB.comは、ロジャー・クレメンス投手(ヒューストン・アストロズ)の愛称である“ロケット”を取って「日本のロケット」と題し、「コウジ・ウエハラ、この名前を書き留めてほしい」と上原投手を紹介。さらに「上原は日本の武器であり続ける」という特集を組み、「上原は日本代表が必要としていた不屈の精神をもたらした」(スポーツナビより)と称賛しているのだ。

また、韓国の金寅植(キム・インシク)監督も「上原は素晴らしかった。フォークとスライダーの両方を持ち合わせ、直球とフォークを投げ分ける。そのコンビネーションにウチの打者は戸惑い、彼を打ち崩すことができなかった」と、こちらも絶賛。王監督も「完ぺきな投球。世界に示した快投だった」(共同通信より)と手放しで喜んでいたのだ。元中日ドラゴンズの李鍾範(イ・ジョンボム)外野手は「上原が日本最高の投手だということは分かっていたが、タイミングを合わせられなかった。もしまた彼と戦う機会があれば、初対戦だった今回よりは良い結果を残せるだろうけど……」(MAJOR.JPより)としている。???初対戦だったっけ?

この各方面から聞こえてくる絶賛の的は、上原投手特有の伸びる直球とキレのある変化球だけでなく、86球中68ストライクという驚異的な制球力にある。以前からメジャーから高い評価をされていた松坂大輔投手(西武)は制球難という課題が残るため、今季オフには松坂投手よりも上原投手へのオファーが殺到する可能性もあるのだ。うーん、これは8年前から熱望しているポスティングシステム(入札制度)によるメジャー入り(FA権取得は最短で2008年)の追い風となるのだろうか。

当の上原投手は、試合後に「その直前に打線が5点を取ってくれたので、とにかく0点に抑えようという強い気持ちだった」(共同通信より)と意気込みを語ったものの、「今日は自分にとってペトコパークでの初登板。だけど、これまでの国際大会でも、いろんな球場で投げてきた。新球場ではいいピッチングができると自分では思っているので、それが(好投の)要因かな」(MAJOR.JPより)と至って謙虚。うーん、日本代表の投手と見れば頼もしい限りだけど、ペナントレースではわが阪神にとって敵チームのエース。こりゃあ、今季の上原投手は手強そうなのだ。

WBC初代チャンピオンをかけたアテネ五輪金メダルのキューバ代表との対戦は、20日午後6時(日本時間21日午前11時)から同球場で行われる。先発が予想される松坂投手には、上原投手以上の投球を期待するのだ。

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