ソフトバンク、ボーダフォン日本法人買収で英本社と合意。

2006/03/17 21:29 Written by コ○助

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3月4日に第一報をお伝えしたソフトバンクによるボーダフォンの買収交渉。これまでソフトバンクの携帯電話事業参入の話題になるたびに、再三流れてきた「ソフトバンクがボーダフォンを買収する」という噂が現実のモノになると、携帯電話業界や「当事者」となるボーダフォンユーザーのみならず、普段は携帯電話に興味がないような一般の人からも交渉の行方が注目されていたなりが、ついに正式にソフトバンクのボーダフォン買収が発表されたなりよ。

これまでの報道では、買収額は1兆〜2兆円規模になると伝えられていたなりが、正式に発表された買収額は1兆7500億円。ソフトバンクが単体で出資するのではなく傘下のヤフーも加わり、ソフトバンクが2000億円、ヤフーが1200億円を負担、不足している分についてはボーダフォンの資産を担保にして資金を借り入れる「LBO(レバレッジド・バイアウト)」方式によって調達することになるようなり。これにより、ソフトバンクとヤフーの両社によってボーダフォン日本法人の発行済み株式の約97.7%を取得することになるなりね。株式の取得は1〜2か月以内を予定。

ソフトバンクがボーダフォンを買収するメリットは、来年を予定していた携帯電話事業への新規参入を前倒しできることが一番大きいなりが、次のようなものが挙げられるなりよ。

・Yahoo! JAPANを中心とするコンテンツやサービスと携帯電話を連携させることで、これまでにない革新的なモバイルサービスの提供が可能となる。
・ソフトバンクグループとボーダフォンが持つ通信ネットワークの統合や販売チャネルの統合、グループとしての効率的な設備投資などを通じ、事業の様々な側面で効率化が可能となる。
・ボーダフォンは人口カバー率99%以上のネットワークと、1500万の顧客を有していることから、11月に予定されている番号ポータビリティを前にスムーズな事業展開が可能となる。
・ソフトバンクとボーダフォングループがモバイルコンテンツ配信事業などにおける合弁事業の可能性について協議を始める。

まだ具体的にYahoo! JAPANのコンテンツをどのようにボーダフォンに活かしていくのかは決まっていないなりが、日本のインターネットの雄が特定キャリアを保有することが吉と出るか、凶と出るかは今のところ不透明。この買収によってNTTドコモやauのユーザーが不利益を被るようなことになれば、それはそれで問題なわけで、これまで「特定のカラーを付けない」ことを美学としてきたYahoo! JAPANの立ち位置がどう変わっていくのかは注目していく必要がありそうなりね。

ちなみに、記者会見の中でソフトバンクの孫正義社長は、ボーダフォンのブランド名について「基本的には新ブランドにする」と明言しており、ユーザーが最も懸念しているメールアドレスの変更などのデメリットは避けられなそうなりよ。ブランド名変更の時期は「看板の立て替えや端末のデザインなど、変更はかなりの数になるので、移行期間は半年以上、一部は1年くらいかかるものもあるのでは」(ITmediaより)と語っているので、長くても1年以内となる模様。番号ポータビリティが始まった段階で、「どうせメアドが変わるならほかのキャリアに」との心理が働くユーザーが相次ぐ可能性は否定できないなりね。いかにして、そうしたユーザーを引き留めるだけの魅力的なサービスを打ち出せるかが、ソフトバンクの「鍵」と言えそうなり。

コロコロと親会社が変わって不便を強いられているのは紛れもなく1500万のユーザー。今度こそはユーザー本位に立った、良質なサービスを提供するキャリアへの変貌を遂げられると期待したいなりね。

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