勝ち越し点は「幻」、WBC日本はアメリカにサヨナラ負け。

2006/03/13 15:57 Written by コ○助

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戦いの場をアメリカへと移し、2次リーグがスタートしたワールドベースボールクラシック(WBC)。日本の2次リーグの対戦国は韓国、アメリカ、メキシコといずれも強豪国揃いなりが、最初の対戦国であるアメリカとの試合が現地時間の12日、カリフォルニア州アナハイムにあるエンゼルスの本拠地「エンゼルスタジアム」で行われたなりよ。「プロ野球の父」と呼ばれた故・正力松太郎氏の「アメリカ野球に追いつき、そして追い越せ」の言葉を胸に成長してきた日本のプロ野球がメジャーのスター軍団にどこまで迫ることができるのかという意味でも、注目された一戦だったなりね。

試合はいきなり、イチロー外野手(マリナーズ)の先頭打者本塁打で幕を開けたなり。2回には川崎宗則内野手(ソフトバンク)のタイムリーで2点を追加。序盤で3点差をつけ、しかも先発の上原浩治投手(巨人)は5回を投げて1失点の好投と、デレク・リー内野手(カブス)、デレック・ジーター内野手、アレックス・ロドリゲス内野手、ジョニー・デーモン外野手(ヤンキース)、ケン・グリフィー外野手(レッズ)らそうそうたる顔ぶれのアメリカ打線と互角の戦いを見せ、ついに「アメリカ越え」の瞬間に立ち会えるのではないか、との野球ファンの興奮を誘っていたいたなりよ。

でも、そうは簡単に行かなかったのがこの試合。上原投手の後続が打たれ、3-3の同点で迎えた8回表。日本は1アウト満塁の絶好のチャンスをつかみ、岩村明憲内野手(ヤクルト)の犠牲フライで3塁ランナーの西岡剛内野手がタッチアップでホームへと駆け込み、見事に追加点を上げた……かに見えたなりが、突如アメリカのバック・マルチネス監督が抗議をしたなりよ。その理由は「西岡のタッチアップのスタートがフライの捕球よりも早かった」。つまり、タッチアップによる得点は認められないのではないか、という抗議だったなりね。

微妙なタイミングのプレーゆえ、ここまではよくある話。でも、驚いたのはアメリカの抗議を受けて、一度は認めらた判定が覆り、日本の得点はなし、ランナーの西岡選手はアウトという判定が下されたなりよ。審判の判定が覆るのは、日米ではほとんどないこと。「審判は絶対的な存在である」との暗黙の了解が成立しているはずの野球の世界で、判定が覆ることは有ってはならないはずなりね。でも、それが実際に起きてしまったなりよ。もちろん王貞治監督も猛抗議をしたなりが、それ以上に判定が変わることはなく。結局、日本の追加点は「幻」に終わってしまったなりね。

細かい状況をもう少し詳しく説明しておくと。タッチアップの判定をしたのは二塁の塁審。この塁審が一度は「セーフ」(タッチアップ成立)のコールを告げ、さらにはアメリカからの抗議を塁審が一旦は却下しているなりよ。でも、その後アメリカが球審(ホームにいる審判。この試合の主審)に抗議の矛先を変えたところ、この球審が判定を覆してしまった……ということなり。厳密に言えば主審の判定が優先されること、そして最初に主審がコールしたわけではないことを考えれば完全な過ちとは言い難いなりが、それでも一度は成立した判定が覆るのは納得がいくものではないなりよね。

結果的には日本は1点差のサヨナラ負けを喫してしまい、この判定が勝負の左右を分けてしまったために王監督や選手も怒り心頭。王監督は「野球のスタートした国であるアメリカで、こういうことがあってはいけないと、私は思う」(朝日新聞より)、イチロー選手は「(あの判定には)納得できない。(王監督が)納得しなければ、ぼくはグラウンドへ戻る気はなかった」(夕刊フジより)と、それぞれの思いをコメントしているなり。
勝ち負けはともかく、互角の勝負を繰り広げられていただけに、後味の悪い判定があったのは残念なところ。日本が次の準決勝に進むためには、1次リーグで負けている韓国、1次リーグをトップで通過しているメキシコに連勝することが最低条件になりそうなりよ。果たして日本は勝ちあがることができるのか。2次リーグの行方に注目なりね。

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