浅田真央連覇ならず、フィギュア世界ジュニア選手権。

2006/03/11 03:57 Written by コジマ

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フィギュアスケート世界ジュニア選手権の女子フリーがスロベニアのリュブリャナで9日に行われ、ショートプログラム(SP)で56.10点と2位につけていた浅田真央選手(グランプリ東海クラブ)はトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の失敗などから153.35点と伸びず、韓国の金妍児(キム・ヨナ)選手に敗れ2位に終ったのだ。3位は米国のクリスティーン・ズコースキー選手、4位は武田奈也選手(東京・日本橋女学館高)、5位は沢田亜紀選手(京都外大西高)。

昨季ジュニアのタイトルをすべて手中にし、シニア大会のフランス杯やグランプリ(GP)ファイナルでもトリノ五輪金メダルの荒川静香選手(プリンスホテル)や銅メダルのイリーナ・スルツカヤ選手(ロシア)を抑えて優勝、五輪代表ポイントで最高の2451点を得ながら年齢制限でトリノ五輪代表を外れた浅田選手。実力もさることながら愛らしい笑顔や素直な発言で好感が持たれているのだけれど、今回はその笑顔も曇ってしまったのだ。

浅田選手は今選手権の目標を「4回転ジャンプ、SPでトリプルアクセルを決める」としたのだけれど、現地に着いてから調子を落とし、4回転ジャンプをあきらめてトリプルアクセルに絞っていた。SPでは国際スケート連盟(ISU)主催大会の女子初となったトリプルアクセルを決めるものの、その後のコンビネーションジャンプが回転不足で減点を受け、56.10点と2位にとどまったのだ。

「スピードを上げて、ジャンプを決めて優勝したい」と臨んだフリーだったが、トリプルアクセルが回転不足で1回転半に、その後もジャンプのミスが続き97.25点、完成度の高い演技で116.68点をたたき出した金選手に総合で24.19点の差をつけられ、2位に終わった。また、この選手権で02年の太田由希奈選手(同志社大)、03年の安藤美姫選手(中京大中京高)、04年の浅田選手と続いた日本勢の連覇も途切れた。

浅田選手は「ノーミスで優勝したい気持ちがあり、いつもよりちょっと緊張していたかもしれない」(デイリースポーツより)、「今シーズンで一番悪い出来だった。ノーミスでできなかったのが悔しい。真央はジャンプだけで、ジャンプを失敗したら負けちゃうけど、向こうはスケーティングが上手だった」(スポーツニッポンより)、「今季最悪の試合。こんなに悔しいのは、(二つ年上の姉の)舞に、小学生の時に負けて以来かな」(朝日新聞より)と、悔しさをあらわにしているのだ。しかし、荒川選手もかつてどん底まで落ちて五輪の金メダルを手にしているので、少しは挫折を味わったほうが今後の彼女のためになるのではないかと。

浅田選手を破って優勝した金選手は、昨季の同選手権、ジュニアGPファイナルとことごとく浅田選手に敗れて銀メダルに終わっていた。今回の優勝は、自身初なだけでなく、シニアを含めて韓国人選手としてISU選手権大会で初めてのこととなった。

2選手は同じ1990年の9月生まれ。浅田選手と同じく、金選手も年齢制限によりトリノ五輪で出場できなかった。「ヨナ(金選手)はいいライバル」と浅田選手が語っているように、選手としてよい関係が築かれているようなのだ。金選手も来季からシニア大会に出場するとのことで、来季は荒川選手、安藤選手、村主章枝選手(avex)、スルツカヤ選手、サーシャ・コーエン選手(米国)らを交えて、この2選手の戦いが観られそうなのだ。

それにしても、フリーですごかったのが総合4位の武田選手。SPでは2度の転倒が響いて38.94点の16位だったが、フリーではSP3位のズコースキー選手を抜き90.15点で浅田選手に次ぐ3位と大健闘。総合129.09点で4位となったのだ。上位2人にはかなわないけれど、この成績を引っ提げて同じく高校生の沢田選手とともに、シニアデビューするのかな。

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