「液晶と言えばシャープ」。その高い技術力を背景に、業界のみならず一般消費者の間にも広く認知されている「液晶企業」のシャープ。家電量販店の大型テレビコーナーに行けばシャープの液晶テレビがズラリと並び、販売ランキングの上位を独占することもしばしばなりよね。気が付けばコ○助も家に置いてある液晶テレビはシャープの「AQUOS」。購入の際に大して比較・検討しなかったのは、やはり「液晶を買うならシャープにしよう」という刷り込みの影響が強かったのかもしれないなり。
でも。最近になってこの「常識」が崩れ始めているようなりよ。アメリカの調査会社ディスプレイサーチによると、2005年10〜12月期の液晶テレビの出荷台数の世界シェアでシャープは13.6%となり、14.6%のソニーと14.2%のフィリップスに抜かれて3位に転落してしまったなりね。シャープはディスプレイサーチが統計を取り始めた2001年4〜6月期以降、ダントツのシェアを獲得して首位をキープし続けていたなりが、年を追うごとにシェアを低下させ、ついには2社の猛追の前に指定席を明け渡してしまったなりよ。
シャープのシェア低下の原因は諸説あるなりが、ひとつ言えるのは製品の供給体制の脆さ。初めて首位に立ったソニーはサムスン電子ろ合弁で液晶事業に乗り出しているために潤沢な製品の供給体制を整えているのに対し、シャープは自社生産のためにどうしても供給不足に陥りやすい構造的な問題を抱えているなりよ。ソニーがサムスン電子と組んだことには「品質の低下を招いた」などと否定的な意見も国内ではチラホラと見られるなりが、世界的に見れば大型タッグとして歓迎されているようで、潤沢な製品供給によって確実にシェアを伸ばしているなりね。
ただ、これはあくまでも世界シェアでの話。国内の液晶テレビのシェアはシャープの首位(39.5%)は依然として揺らいではいないなりよ。2位のソニー(20.5%)、3位の松下電器産業(11.6%)など、競合他社の激しい追い上げの前にシェアは低下傾向にあるなりが、以前に比べれば市場の競争が激化しているので、ある程度の低下は仕方ないなりね。ソニーに倍近い差を付けている現在のシェアを、いかに縮めずにいけるか。今後、シャープの底力が問われるところなり。
2008年の北京オリンピック特需、2011年のアナログ放送終了に伴う特需など、大きな波をいくつも迎えることになる液晶テレビ。「液晶と言えばソニー」と呼ばれる時代が来るのか、はたまた王者シャープが今後も王者でいられるのか。熾烈な競争がこれからますます本格化していきそうなりね。