乗用車の「スライドドア」による挟み込み事故が多発。

2006/02/23 21:02 Written by コ○助

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価格がそれほど高くなく、デザインも洗練され、乗車定員が多い。さまざまな理由で人気が高く、近年、急激に普及台数を増やしているミニバンなりが、最近ちょっと気になるニュースが流れているのを見かけるなりよ。それはミニバン独特の「スライドドア」に、身体を挟んでしまう事故が多発しているというニュース。多くは頭や手を挟むことによる打撲や捻挫といった軽傷例が多いなりが、一部には頭部挫傷や骨折などの重傷例も報告されており、注意を喚起する必要があるなりね。

こうした事故の報告を受けて、国民生活センターが国内6社のコンパクトカーやミニバンなど14車種を対象に行った商品テストによると、「スライドドアは92〜231キログラム重で、一般的なドア(ヒンジ=ちょうつがい=式)の56〜95キログラム重の約2倍の衝撃力」(産経新聞より)だったことが判明。一般的なドアの2倍というのは、かなりの衝撃なりね。また、「傾斜五度の下り坂では、ほぼ全開状態から自然に閉まったときの衝撃力が110〜288キログラム重となり、ほとんどの場合、平地において手で普通に閉めたときの衝撃力を上回った」(同)というなり。

国民生活センターでは、こうした商品テストの結果のほかに、病院情報をもとにした事故の分析も公開しているなりね。いくつか大事なところをピックアップしてみると。

・2000年度以降2005年10月末までに寄せられたドアでの事故(755件)のうち、10歳未満が344件で最も多く全体の45.6%を占めていた。
・危害を受けた部位は、「腕・手」が711件で最も多く(94.2%)、その中でも「手指」が圧倒的に多く658件であった。ただし、0歳時のみは脚部の事故のほうが多かった。

大人のけがの報告例もあるものの、子どもが挟まれるケースが多いのが数字でハッキリと現れているなりね。大人のけがは、多くは高齢者が挟まれるケース。やはり子どもと高齢者には注意が必要なり。

ちなみに国民生活センターは、スライドドアの乗用車に乗る際のアドバイスをいくつか用意しているなりよ。

・子どもの事故が多いが、これは保護者の不注意で起こることも多いようなので、特に小さい子どもを自動車に乗せてドアを閉めるときは子どもが手や足などをドア部分に出していないかを確認すること。子どもがいたずらしてドアの開閉を行うことが考えられるなら、車内からドアを開けられないチャイルドロックをかけるとよい。
・大半が軽症とはいえ、年齢が上がるにつれ危害程度が重くなり、治療に時間がかかるようになる。特にけがの多い手指の爪を中心とした部分は細かい組織で治療も難しく、後遺症があると日常生活に影響も考えられる。ドアの開閉動作はあわてず、気をつけて行うこと。
・坂道でのスライドドアの開閉にはかなりの力が必要で、誤って手を放しスライドドアに挟まれると重篤な事故となるので、操作は慎重に行うこと。

もしスライドドアのついたタイプの車に乗っているならば、これらのことに十分留意して、安全に利用してくださいませ。「車は(止まっていても)家よりもリスクが高い」という専門家の指摘もあるので、皆さん、お気を付けて。

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