かつての栄光はどこへやら。近年は目立ったヒット商品もなく、ブランド価値の低下が著しいエレクトロニクス界の巨人・ソニー。昨年9月に15分野にわたる不採算部門の整理・縮小方針を発表したなりが、その一部についての具体的な方針が固まり、26日に開かれた2005年度第3四半期の決算発表会で概要が明らかになったなりよ。「世界のソニー」復活に向けて、痛みを伴う改革を推し進めることになったなりね。
今回具体的な内容が発表されたのは7項目9カテゴリー。どのような方針なのか、簡単にまとめておくなりね。
[エンタテインメントロボット]犬型ロボット「AIBO」の生産を3月末で中止(サポートは継続)。二足歩行ロボット「QRIO」も新規開発を停止。
[車載機器]カーナビを含めた国内での生産・販売を3月末で中止。海外は従来通り。今後、新しい形での再参入は検討中。
[プラズマテレビ]自社での開発・生産は行わない。
[ブラウン管テレビ]販売は継続。生産拠点をアジアに集約。
[QUALIA(クオリア)]新規開発はすでに終了。サポートは継続。
[エアボード]PSPなどに提供しているテレビ番組を見られるベースステーション「ロケーションフリー」に事業を移行。
[業務用機器]3カテゴリーで「すべて自社開発」の方針を見直し。
最も大きなインパクトがあるのは、「AIBO」から始まったソニーのエンタテインメントロボット事業の終焉。「AIBO」はすでに新規の開発を終了していたなりが、細々と続けられていた生産自体もストップすることになったなり。また、テレビCMなどにも出演し、すっかりおなじみの存在となっていた二足歩行ロボット「QRIO」も開発終了となるなりね。昨年9月の時点でエンタテインメントロボット事業の縮小方針は明かされていたので、予想された範疇の決定ではあるなりが、二大看板がともに終了してしまうのはやはり寂しいものなり。
ほかにはカーナビなどの車載機器からの撤退も大きなインパクト。いずれ再参入することを決めているとはいえ、一時的にでも撤退するとは。この思い切った施策が吉と出るか、凶と出るかは分からないなりが、再挑戦に向けての並々ならぬ意欲を感じるのも確かなりよ。そう遠くない将来に登場するであろう、新製品に期待したいなりね。
ソニーは今後、テレビ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ビデオレコーダー、携帯オーディオ、ゲーム機(プレステ3)などに重点を置き、復活を目指す方針。かつての「強いソニー」「世界のソニー」を心待ちにしているファンは少なくないだけに、これからのソニーの展開に注目しておきたいところなり。