アメリカ式の結婚式といえば、宗教などによっていろいろスタイルが異なりますが、それでも一般的なものなら、かならず新郎には "Best Man(ベストマン)" そして新婦には "Maid of Honor(メイド・オブ・オーナー)" という、男女それぞれ1人つづが登場します。彼らはその日夫婦となる2人に対し、アシスタント的な仕事を担う立場。
なぜ彼らのような役割が必要なのかというと、日本のパッケージ結婚式とは違い、アメリカではほとんどの手配を新郎新婦がしなければなりません。披露宴の会場の手配、衣装の決定、ヘアやメイク、ケーキ、音楽、招待客へのお知らせ……。考えるだけでも山ほどです。さらには結婚式当日だけに限らず、ブライダル・シャワー(友人の自宅などで花嫁にプレゼントをあげたりする)、バチェラーズ・パーティ(独身最後とばかり、思いっきり酔っ払いストリッパーなどを呼んで新郎が羽目を外すパーティ。これの女性版は「バチェラレット・パーティ」)、そして式直前には最終打ち合わせのために集まり、その後にリハーサル・ディナーなるものもあります。
とにかくこれらすべてをアレンジするには新郎新婦だけでは間に合いません。なのでベストマンとメイド・オブ・オーナーがサポートに入るんですね。さらにこのサポーターたちは結婚式当日、婚姻の証人という大切な役割も果たします。
さてこのベストマンやメイド・オブ・オーナーなんですが、当たり前ながら新郎新婦の親友がなるのが常。バージニア州にて結婚したアントニー & シャノン・ウィリアムス夫妻も、ベストマンには彼の親友であるジョセフ・オーバートン氏を選んだのです。
ところがこのベストマン、なんと数年前に新郎といざこざを起こして、それをずっと根に持っていたため、とんでもない事件を起こしてしまうのです。こともあろうか、新婚旅行で不在になった夫婦の新居に放火。家は全焼してしまったとか……。
ちなみにこの過去のトラブルは、ウィリアム氏がオーバートン容疑者の奥さんに、主人の浮気の事実をバラしたのが原因。ってことはオーバートン容疑者の完全なる逆恨みですよねぇ。それを表面的には親友だからと仲直りしつつ、実は心中ではずーっと恨んでいたのかと思うと、それはかなり怖い。
後日オーバートンはこの放火で有罪判決を受け、9年間の刑務所行きが決定しました。しかし新婚早々「幸せフル・チャージ」のはずが、家は失うは、親友(だと思っていた人物)には裏切られるは、ウィリアム夫妻はアンラッキーですねぇ……。