若者に人気の「一澤帆布」でお家騒動、相続めぐり骨肉の争い。

2005/12/18 14:59 Written by コ○助

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もう何年も前から、若者を中心に人気を集めているカバンメーカーの「一澤帆布」。もともとは1905年に京都に創業した老舗のメーカーなりが、京都大学の学生や修学旅行で京都を訪れる中高校生などの間に口コミで人気が広がり、大ブレイクしたブランドなりよね。綿や麻の分厚い生地で作られた頑丈かつ防水性に優れた帆布バッグは、東急ハンズなどでも販売されているので、所有はしていなくても見かけたことがある人は多いと思うなりよ。そういえばコジマも「一澤帆布」のトートバッグを持っていた時期があったような。

話を進める前に、基本的な理解として「帆布」の説明をしておくなりね。「帆布」とは一般的には船の帆に使われる布のことをイメージするなりが、正確には一定の規定を満たした厚布全般のことを指すなりよ。「一澤帆布」では職人が木槌や金槌を使って帆布を折り曲げ、加工して作る工程を今なお踏襲しており、丁寧な仕事ぶりが人気の理由でもあるなりね。きちんと手入れをしながら使い続ければ、次第に帆布自体に味が出てくるため、長年愛用する人も多いというなり。

そんな「一澤帆布」に、今、お家騒動が起こっているなりよ。なんでも2001年に他界した先代の一澤信夫前会長が残した約10万株の相続をめぐり、兄弟同士の争いが激化。裁判沙汰にまで発展しているなりね。主な登場人物は上から信太郎氏、信三郎氏(現社長)、喜久夫氏の兄弟3人。先代の遺言書には株の5分の4(約8万株)信太郎氏に、5分の1(約2万株)を喜久夫氏に相続する、といった内容が記されていたなりが、2001年時点ですでに社長を務めていた信三郎氏が遺言状の無効を求めて民事訴訟を起こしていたなりよ。ただ、裁判は信三郎氏が敗訴、遺言書通りに信太郎氏と喜久夫氏が相続することになったなりね。

そして16日に、臨時株主総会が開かれ、大株主となった信太郎氏と喜久夫氏が現社長の信三郎氏と取締役3人、そして監査役の解任を一方的に決定。信三郎氏は「臨時株主総会は認めていない」と京都地裁に開催そのものを差し止める仮処分の申請をするなど(却下)抵抗しているようなりが、兄弟間の争いはまだ収束していないようなりよ。

ちなみに、スポーツニッポンによると、解任された信三郎氏は「既に製造部門の社員のほとんどを新たに設立した会社に移行」させているそうで、長年「一澤帆布」の製品を支えてきた職人さんたちは信三郎氏についていく、という姿勢を見せているなりね。ただ、一方で「一澤帆布」の商標は信太郎氏と喜久夫氏側が握っているため、この争いが収まらない場合には、最悪「一澤帆布」商品の質の低下、旧「一澤帆布」商品が新ブランド名で登場、といった流れになる可能性もあるなりか。せっかく築き上げてきたブランドなのに、それだけは避けたいところなりよね……。

ファンも多い「一澤帆布」だけに、今後の展開は気にしておきたいなりね。何か大きな動きがあれば、続報をお伝えしていくことにするなり。

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