サムライ・ベアーズ、リーグ資金難のため来季参戦できず。

2005/11/25 13:53 Written by コ○助

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たくさんの独立リーグが存在するアメリカに、新たな独立リーグとして今年発足したばかりの「ゴールデンベースボールリーグ」。当初はカリフォルニア地区4球団とアリゾナ地区4球団の計8球団としてスタートしたものの、メキシコに本拠地を構える予定だった球団が諸事情により5月26日の開幕までに間に合わなかったため、急遽新しい球団が編成され、なんとか8球団体制を維持したまま開幕を迎えたなりね。その急遽編成された球団が、特に本拠地を決めない流浪の球団「サムライ・ベアーズ」だったなり。

サムライ・ベアーズは24人の選手全員が日本人、監督やコーチも元プロ野球経験者を擁するという、純日本製チームとして結成のときから注目を集めていたなりよね。日本で行われたトライアウトには1992年の夏の甲子園で、当時星陵高校の松井秀喜外野手を5打席連続敬遠したことで話題になった明徳義塾の河野和洋投手らも参加し、入団が決定。日本でプロ入りを果たすことができなかった選手たちが、独立リーグとはいえアメリカでプレーし、いずれはマイナー、メジャーへの階段を上がっていく。そんな夢プランが描かれていたなりよ。

そして野球ファンが最も関心を寄せたのは、初代監督に、かつて巨人でプレーしたウォーレン・クロマティ氏が就任したこと。巨人時代は助っ人選手としては異例の人気者となり、巨人ファンのみならず、他球団のファンからも愛される存在だったなりよね。ところが、いざリーグが開幕して海の向こうから聞こえてきたのは、選手の活躍でも、サムライ・ベアーズの躍進のニュースでもなく、クロマティ監督の悪評ばかり。以前、Narinari.comでもお伝えしたなりが、どのような悪評だったのかを簡単に振り返っておくなりね。

・口癖は「ファック」で、選手がミスすると「ファック・ユー」を連発。
・朝から晩まで「ファックファック」と言っている。
・選手に自分の荷物を持たせ、自分では絶対に持たない。
・ヤジを飛ばすファンに向かって「ファック・ユー」を連発、リーグから出場停止処分(その後監督を解任)。
・それ以前にも退場6度、2度の出場停止処分を受けていた。

かなり素行が悪かったようで、とても監督の器ではなかった、というのが実際に所属した選手たちのクロマティ評。采配云々の問題以前に、言動や素行が不良だったことは、実際に出場停止処分や退場処分を何度も喰らっていることからもうかがい知ることができるなり。結局、クロマティ監督がチームの結束をガタガタにし、90試合を戦い抜いたサムライ・ベアーズは33勝57敗の成績で最下位に終わっていたなりよ。クロマティ監督のあまりに粗暴な振る舞いに嫌気が差して途中退団選手もいるなど、当初のプランとはかけ離れた球団となってしまったなりね。

ただ、ゴールデンベースボールリーグのシーズン終了後にサムライ・ベアーズは来日し、四国アイランドリーグ選抜と交流戦を行ったなりが、試合に負けたとはいえ、江本孟紀監督(※日本での試合は江本氏が監督を務める)に率いられたサムライ・ベアーズの面々は活き活きとプレーをしていたなりよ。環境が変われば、また新たな気持ちで来季に臨める……と予感させるものがあったなりね。

でも、残念ながら、ゴールデンベースボールリーグは資金難を理由に、来季から3球団を削減することを決定。その中に、サムライ・ベアーズが入ってしまったなりよ。最下位に終わり、本拠地を持たないがゆえに集客面でも期待できないため、この措置は仕方がないとはいえ、選手の気持ちを考えるとやり切れないものがあるなり。

サムライ・ベアーズの今後については白紙の状態なりが、アメリカのどこかに本拠地を構えて2007年からの出直しをはかるか、日本でクラブチームになるか、といった選択肢が検討されているというなり。たった1年で終わるのはあまりに寂しい話。アメリカに日本のアマチュア選手の受け皿となる球団があることは野球の活性化、グローバル化に繋がることなので、何とか再建の道を模索して欲しいものなり。

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