オリンパス、携帯音楽プレーヤー「m:robe」の生産を中止。

2005/11/10 10:21 Written by コ○助

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「iPod」シリーズの牙城を崩すべく、オリンパスがHDD搭載型の携帯音楽プレーヤーへの参入を発表したのは昨年10月のこと。「今までにない新しい音楽の楽しみ方」を提案するべく立ち上げた新ブランド「m:robe」の第一弾として、クールなデザインの「MR-500i」を投入。20GBのHDDとタッチパネル式の3.7型TFTカラー液晶を備え、122万画素CMOSのデジタルカメラ機能も搭載するなど、当時の「iPod」には無かった新たな「価値」を打ち出した意欲的な製品だったなりね。でも、発売からわずかに約1年。残念ながら、早くも「m:robe」ブランドの製品は生産中止となることが決定したなりよ。

「MR-500i」は当初から「見た目は格好良く、コンセプトも悪くないが、機能面が中途半端」と言われていたなり。事実、発売直後に出ていた各種レビュー記事ではオリンパスの意欲は買いつつも、機能面に苦言を呈するものがチラホラと見られたなりよ。例えば、デジタルARENAでは次のような評価を下していたなりね。

「動作が総じて遅いのだ。メニューを選択した後、反応があって画面が切り替わるまでに、常にある程度の間を伴う」
「カメラに関しては、オリンパスブランドから期待されるような高性能なものではない。画質はカメラ付きケータイ程度」
「バイヤーズガイド的な視点では『液晶が大きくてタッチセンサー付き』としか言えず、また機能も万人向きとも言いがたいため、どうしても辛い物言いになってしまう」

携帯音楽プレーヤーとしての音質面はともかく、動作が鈍く、カメラはケータイ程度というあたりは辛いところ。それでも価格の面で「iPod」や「iPod Photo」(当時)よりも分が良ければ購買意欲をそそられる人は多かったかもしれないなりが、実売価格は6万円前後と、中途半端ながらも機能を詰め込んだことが逆に仇となった価格になっていたなりね。そのため、当然のことながらあまり売れるような製品ではなかったようで、「MR-500i」と、同時に発表されていた5GB HDD搭載の「MR-100」は今春限りで生産を中止していたなりよ。

ただ、「m:robe」のブランド自体はその時点で消滅することなく、7月には有機ELディスプレイを搭載したフラッシュメモリ型の携帯音楽プレーヤー「m:robe MR-F10/MR-F20」が発売されていたなり。こちらは当初のコンセプトからはズレてしまい、「今までにない新しい音楽の楽しみ方」ではなく、普通の携帯音楽プレーヤーといった印象の製品に。結局、「iPod」シリーズの牙城に切り込むこともできずに、「MR-F10/MR-F20」も9月には生産を打ち切っていたなりね。

オリンパスは「m:robe」の生産中止の理由を「収益が悪化しているデジカメ事業の立て直しを優先する方針」と説明しているなり。そのため、今回の決定で「m:robe」のブランドが完全に消滅するのではなく、今後のデジカメ事業の業績次第では再参入する可能性もあるのだとか。まあ携帯音楽プレーヤーとして中途半端なイメージを払拭できないままズルズルと事業を続けるよりは、生産を中止してもう一度コンセプトから見直したほうが良さそうなりよ。いずれ再参入するときには、これまでの「m:robe」の反省を活かして、もっと魅力的なブランド展開ができると良いなりね。

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