アメリカで広がりを見せる「新生児トイレ・トレーニング」。

2005/11/07 16:15 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


育児における難関のひとつといえば、絶対に「トイレ・トレーニング」があると思います。まったく、大変なのは子供なのかそれとも親なのか、そんな疑問が心をよぎるほどストレスのたまるプロセスですな。ウォール真木も長女、次女とトイレ・トレーニングを2回経験しましたが、長女の場合は母親としてもどうしていいのかワケ判らず、随分と親子してつまづいたり、イライラしたり、洗濯の回数が増えたり、掃除の回数も増えたり……ともう凄かったです。

長女でそんな感じだったので、2度目となった次女の時はやる気が起こらず、ほとんど放ったらかし状態(笑)。でも、そうしたら逆にこっちのほうがさっさとオムツを卒業してしまい、一体長女の時の苦労はなんだったんだと、ここでも自問自答でございました……(涙)。

さて、そのトイレ・トレーニングですがこちらアメリカでは日本と比べると、一般的にその開始時が遅めです。日本の友人に聞くと、大体1歳半〜2歳半ごろからはじめるのが普通なんだそうですが、アメリカではもっと遅く3歳過ぎから始める家庭も多いようです。特に男の子のほうが始めるのが後な感じですかね。

でも最近米国のメディアで取り上げ始めて話題になっているのが逆にとっても早く、それこそ生後4ヶ月からオムツ離れを始めさせるという新しいムーブメント。 "Infant Potty Training" (新生児トイレ・トレーニング)、又は "Elimination Communication" (排泄コミュニケーション)といわれるこのコンセプトは、生まれたばかりの赤ちゃんでも「排泄の感覚」をよく覚えており、それに対してリアクションや感情も持ち合わせている」という論理が根本にあるんだとか。

生まれたばかりの赤ちゃんでも、ちゃんと辛抱強く教えれば「トイレに行きたい」とシグナルを送ることが出来るそうで。しかし親が赤ちゃんにオムツを強要すると、そこに「排泄しなければならない」とトレーニングされてしまい、周囲に排泄する時の感情を伝えることもシャットアウトされてしまうのだそうです。さらにその後、今度は一度「トレーニングされた」おむつの使用を止めさせられ、今度はまた違う排泄の方法を学ばねばなりません。この行為は子供にとって相当のストレスとトラウマになる……と、この新生児トレーニングは説いています。

細かいメソッドの説明は割愛しますが、とにかく大切なのは子供のコミュニケーションしているサインを見逃さないようにすること、辛抱強くあること、トイレに行く時の環境を定めること(おまるやトイレに行く時の合図の言葉など、赤ちゃんが排泄行為と環境を関連付けられるようにする)、などだそうで。あぁ、やっぱり辛抱って必要ですか。そうですか(汗)。

ただこのトイレ・トレーニング、オムツ離れを早めるのが目的ではなく、あくまで親と子のコミュニケーションを育むのが最大の目標。赤ちゃんに排泄の時に意思表示を促すのが一番大切なことなんだそうです。なのでじっくり時間をかけて教えるのが良いそうで、結局最終的にちゃんとオムツが外せるのは2年以上かかるらしいです(笑)。ってことは、別に2歳ぐらいまで待ってそれから普通のトイレ・トレーニングしてもいいんじゃないかと……。その方が親が気楽だし。

何はともあれ、この新生児トイレ・トレーニング。アメリカではじわじわと広がっているそうなので、そのうち日本でも話題になるかもしれませんね。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.