ライブドア堀江社長、宇宙旅行ビジネスに本格参入。

2005/10/17 05:01 Written by コジマ

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球界再編からフジテレビ株取得問題、衆院選出馬、広島カープ買収と、話題に事欠かないライブドアの堀江貴文社長が16日、福岡市で開かれた国際宇宙会議福岡大会で宇宙旅行ビジネスへの本格参入を正式に発表したのだ。堀江社長は、ライブドアとは別の個人的なプロジェクトチームとして「ジャパン・スペース・ドリーム」を昨年に設立し、半年かけて事業化の準備を進めてきており、「2008年にも実現させたい」と語っている。

昨年末に宇宙航空研究開発機構(JAXA)主催で開かれたイベント「見上げる宇宙から使う宇宙へ2004 -宇宙の利用を考えるシンポジウム―」で、宇宙旅行ビジネスへの熱い思いを語った堀江社長。今年6月に自らが持つライブドア株の約7%を売却したうちの、数十億円を当初の資金に充てるのだそう。個人でこの資金力。恐るべしなのだ。

今回の宇宙旅行ビジネスプロジェクトは、機体の提供・メンテナンスをロシアの宇宙機関NPO・Mashinostroyeniaが担当し、事業の運営主体はExcalibur Almaz社、日本のアストロリサーチ社も参入するようなのだ。堀江社長の「ジャパン・スペース・ドリーム」は、Excalibur Almaz社に経営参画するという形を取るのだとか。

「宇宙旅行は1回1日以内、各国の富裕層など3〜6人を募集する」とした堀江社長は、ロシア製の3人乗りカプセル型宇宙船「Almaz Capsule」を披露。6人乗りの新型機の開発も検討されているのだとか。「地球周回旅行を手がけるが、将来的には宇宙ステーションを打ち上げ、『宇宙ホテル』化したい」、「競争があってコストも安く、技術も良くなる。その先鞭を着けたい。誰かがやらないとマーケットは広がらない」などとコメントした。

現在実現可能な宇宙旅行は、ロシア船ソユーズを使用した米国のスペース・アドベンチャー社が売り出しているものがあり、日本ではJTBが独占販売権を獲得して話題になったのだ。その内容は、
(1)高度100キロの宇宙空間を約3分間飛行する「弾道飛行コース」(約1100万円)
(2)国際宇宙ステーションに1週間滞在する「軌道飛行コース」(約22億円)
(3)月を一周する「月旅行コース」(約110億円)
の3コース。このうち(1)は、1998年にペプシコーラ(ペプシ・ジャパンとサントリー)が企画した「PEPSI 2001年宇宙の旅」というプレゼントキャンペーンで話題になったのだ(日本人5人が当選したのだけれど、延期になり現在も実現されていない)。また、(2)はこれまでに、今月1日に打ち上げられた米国人実業家グレゴリー・オルセンさんなど3人が実現し、元ライブドア取締役兼最高戦略責任者の榎本大輔さんの実現が有力視されているのだ。「ジャパン・スペース・ドリーム」が参画するプロジェクトは、(2)を手がけることになるようで、堀江社長は「(スペース・アドベンチャー社の)5分の1、早く10分の1以下にしたい」と意欲的なのだ。まあ、10分の1でも2億2000万円なので、一般人では到底旅行に参加できないのだけれど……。

また、先述のイベント「見上げる宇宙から〜」で堀江社長は、荷物と人間を同時に乗せ、同じ安全基準で運ぶため機体が大きくなったという理由で「米国のスペースシャトルは大失敗だった」とし、ソユーズで人間、プログレスで物を運んだロシアの方法を高く評価。今回のプロジェクトのロケットでもロシア式を採用したいとコメントしているのだ。また、燃料については「液体酸素と灯油を使う」とし、H2ロケットが採用している液体水素については、「難易度が高く、民間会社が使う必要ない」とした。さらに、地球への帰還の際、ロシアは草原に、米国は海にパラシュートで着陸しているのだけれど、「パラセーリングを使えば日本の島に着陸できる」、機体の回収については「漁船2隻で回収できるはず」(米国は第七艦隊を動員)と、コストの削減や民間で動員できる力への研究に余念がないのだ。

「子供のころ宇宙に憧れ、大学は宇宙工学科に入学したかった」と語った堀江社長。結局、数学が苦手で挫折したそうだけど、今回の参入で、幼少時の夢が違った形でかなうこととなった。
「プロ野球に参入を決意したときも、今、野球選手が子供たちに憧れを与えられていないと危機感を表明した。宇宙開発も一緒で、子供たちに与えられるような目標や夢を見せてほしい」
こんな熱いコメントを聞かされては、応援せずにいられないのだ。

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