関西学院大学相撲部、助っ人部員が全国大会優勝。

2005/10/07 04:38 Written by コジマ

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「第30回全国学生相撲個人体重別選手権大会」が2日、東京都千代田区にある靖国神社で開かれ、関西学院大相撲部の助っ人として75キロ未満級に出場した同大レスリング部主将の田中正幸選手(商学部4回生)がタックルを連発する「レスリング相撲」で日本体育大学や青森大学などの強豪を圧倒し、優勝したそうなのだ。

田中選手は、“本業”であるレスリングの強化練習の一環として昨年から相撲に取り組み始め、相撲部の助っ人として大会に出場するようになったのだそう。6月の「第79回西日本学生相撲選手権大会」2部団体戦での3位入賞に貢献。関西大学との「関関戦」では、個人戦準決勝で相撲部主将の玉田和也選手(法学部4回生)に勝ちを譲る一コマも。そして、先月4日に大阪府堺市の大浜公園で行われた「第30回西日本学生相撲個人体重別選手権大会」に出場。181センチの長身を生かして同階級で優勝果たし、全国への切符を手にした。「相撲の練習は一切していません」という言葉通り、全国大会では1回戦寄り倒し、2回戦小股すくい、準決勝寄り切り、決勝では強豪・日体大の選手を浴びせ倒しと決まり手は違うものの、相手の懐に飛び込み両太ももの裏をつかんで刈るというレスリングのタックルのみで全国制覇を成し遂げたのだ。まあ、そんなコメント聞かされては、負けた選手たちがちょっと可哀想な気もするけど(笑)。

関学相撲部は1891年創部と歴史があるのだけれど、近年は慢性的に部員が不足していたらしく、昨秋にはとうとう玉田主将だけに。休部の危機に直面するなか、田中選手らレスリング部員3人が助っ人として大会に出場していたのだ。今回の田中選手の活躍で元アメフト部の1年生が入部し、スポーツ推薦で来春入学する学生も入る見通しになったのだとか。ちなみに、唯一の正規部員である玉田主将は西日本大会の100キロ未満級に出場したのだけれど、物言いの末に判定が覆り、ベスト8止まりで全国大会には出場できなかった。試合後には「足は出てないはずです。悔しいです。でも、そんな相撲をとってしまった自分の実力不足です」とコメントしているのだ。

さて、優勝した田中選手の“本業”の成績なのだけれど、関学レスリング部は西日本リーグの2部に在籍しており、春・秋とも下位にとどまっているのだとか。レスリング出身の力士に関脇の琴欧州や現在序二段の後藤(日体大レスリング部)がいるし、幕下以下でも月4〜8万円の手当がもらえ、衣食住は部屋持ち、十両になれば基本給が月103万6000円+ご祝儀と、卒業後の“就職先”としては魅力があるのだけれども、田中選手は「あくまで、レスリングのため」と相撲への転向は否定しているのだ。現在は、レスリングの秋季大会に向けて猛練習中なのだとか。

11月には最後にして最高の舞台である「全国学生相撲選手権大会」に、玉田主将と新入部員、そして田中選手らレスリング部員3人の計5人で団体戦に出場する予定だそう。同大会でも「レスリング相撲」旋風が吹き荒れること間違いなしなのだ。それにしても田中選手、すっごいたくましマッスルなのだ。

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