カート・コバーンの娘・フランシス・ビーン、インタビュー。

2005/09/10 07:50 Written by コジマ

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1990年代に世界を席巻したグランジ・ロックの中心だったバンド、ニルヴァーナ。現在フー・ファイターズを率いているデイヴ・グロールがドラムを担当していたことでも有名で、若者がバンドを始めるに当たって、セックス・ピストルズとともに登竜門的存在となっているのだ。そんな伝説のバンドも、フロントマンで「オレたちの時代のジョン・レノン」とオアシスのリアム・ギャラガーに言わしめた90年代のカリスマ、カート・コバーンが94年4月にショットガンで自殺したことによって解散を余儀なくされたのだけれど、そのカートと妻であるミュージシャンで女優のコートニー・ラヴとの間にできた一粒種、フランシス・ビーン・コバーンが今月13日に発売される米誌「Teen Vogue」10月号で、自身初となるインタビューに答えているのだ。

フランシス・ビーンは1992年8月生まれの13歳。伝説的な天才ミュージシャンの父とハリウッド女優の母との間に生まれ、ティーン・セレブリティになる素質は十分。今まで雑誌などで取り上げられなかったことが不思議なくらいなのだ。まあ、その辺は彼女の周囲の事情によるものが大きいのだけれど。

彼女の生後間もなく、コートニーが妊娠中の薬物使用を雑誌で告白したため、児童福祉局がコートニーとカートの養育権を疑い裁判になるという事件が起きる。まあ、フランシス・ビーンが生まれたとき、カートは同じ病院で薬物依存症の治療中だったということからしても、児童福祉局の判断は間違っていなかったのだ。93年に両親の元に戻るものの、94年には父が自殺。その後、母は自身のバンド、ホールでアルバム「リヴ・スルーディス」がプラチナ・ディスクを獲得したり、主演映画「ラリー・フリント」で数々の賞を受賞するなど、ショービジネスの世界で成功を収めるのだけれど、レコード会社やニルヴァーナの残りのメンバーとの訴訟問題だけでなく、元恋人の家に侵入して逮捕されたり薬物過剰摂取で入院したり、フランシス・ビーンはさぞ落ち着かなかったことだろう。03年に母はまたもや薬物過剰摂取で逮捕され、そのとき彼女が一緒にいたために、親権を剥奪される。その後、母の叔母に育てられるが、今年の1月にようやく母の元に戻ることができたのだ。

フランシス・ビーンと言えば赤ん坊の頃に父と一緒にあくびをしている写真などが有名なのだけれど、今年の8月に音楽雑誌「CROSSBEAT」の扉で母とともに写った写真(Yahoo! Entertainmentにあるものと同じ)が掲載されていて、赤ん坊のイメージしかなかったのでびっくりしたのだ。青く大きく、純粋で意志が強そうな眼はお父さんとうりふたつ。顔がぽっちゃりけど、健康的に育っているようすなのだ。隣で大きく胸の開いたドレスを着て口を半開きにして写っている母のだらしなさと不健康さが強調されちゃってるし。

さて、本題のインタビューなのだけれど、「カート・コバーンとコートニー・ラヴの娘と言われたくない。フランシス・コバーンとして認識されたい」といきなり自己主張。有名人の子供なら誰でも持っている悩みなのだろう。父が象徴となっている汚らしいファッションを流行らせたグランジについては、「だらしなく見えるのは好きじゃない。女の子らしくしたい」としている。お母さんの服装もぜひ真似しないでほしいのだ。「好きな色はライトピンク。あとベビーブルーも好き。瞳の色と同じだから」なんて、ティーン誌らしい質問にも答えているのだ。

お母さんについては、「だらしない時があってそれがヤダ」、「もっと品格あるスターの振る舞いをしてほしい」、「髪にブラシをかけないこととハードメタルな服装もイヤ」と辛辣。コートニーの話では、「自由に生きていいから人の忠告は聞くように」と娘に叱られているのだそう。もっともコートニーは「そりゃあ聞くけど、いつもその通りにするとは限らないわ」としているのだ。

本人の意思とは無関係に波瀾万丈の人生を歩まされているフランシス・ビーンなのだけれど、グレることなく真っ直ぐに育っているみたいなのだ。うーん、まさに反面教師。将来はミュージシャンになるのかどうかはわからないけど、次世代のティーン・セレブになること間違いなしなのだ。お母さんも娘を売り出すのが好きそうだし。そういえば、MSNニュースの写真を見ると、親権が戻ってきたためか、はたまた娘と写真に写るのが楽しいのか、コートニーが嬉しそうな顔をしているのだ。

もっと詳しい内容は、13日発売の「Teen Vogue」に掲載されているので、そちらをどーぞ。オーランド・ブルームの“可愛い顔”が表紙なのだとか。

ちなみに、フランシス・ビーンの父、カートの“最期の48時間”を描いた(といわれる)映画「ラストデイズ」(ガス・ヴァン・サント監督)が来春、東京・渋谷のシネマライズで公開されるのだ。主演は映画「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」でヘドウィグを裏切る恋人役を演じたマイケル・ピット! ちょっと健康的だけど、髪型といい服装といいサングラスといいカートそっくり(役名はカートではないんだけど)。そして、音楽監督はソニック・ユースのサーストン・ムーア! うーん、今から楽しみなのだ!

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