auの「BREWアプリ」は公開まで、なぜ時間がかかるのか。

2005/08/31 05:38 Written by コ○助

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毎日のように新しいアプリが公開され、その種類が群を抜いているNTTドコモのiアプリに対し、auのBREWアプリはなかなか新しいものが公開されないなりよね。特にゲームアプリではその傾向が顕著に現れており、コンテンツプロバイダがNTTドコモやボーダフォン向けにはアプリを公開しているのに、au向けには公開していないというケースが目立つなり。そのため、BREWアプリのラインアップに不満を抱いているauユーザーも少なくないなりが、こうした状況を生んでいる大きな理由は、KDDIの審査基準がほかのキャリアに比べて厳しいからなりよ。

そもそも、誰でも自由に開発及び配布ができるiアプリに対し、BREWアプリはKDDIの承認を受けなければ配布することができない「縛り」が存在するなり。この「縛り」があるために、多くのユーザーから登場が心待ちにされながら、BREWアプリ版が登場する可能性が極めて低い状況にあるのが携帯電話用のフルブラウザ「jigブラウザ」。iアプリ版は着々と進化を遂げ、多くのユーザーに支持されているものの、「定額制+フルブラウザ」のビジネスモデルへ与える影響と、KDDI自らがフルブラウザの実装を推し進めて来た経緯から、サードパーティの「jigブラウザ」のBREWアプリ版を認めて来なかったなりね。携帯電話用のフルブラウザというジャンルを切り開き、この分野では一日の長がある「jigブラウザ」だけに、利用したいと欲しているauユーザーは残念な思いをしているわけなり。

では、厳しいと言われるKDDIの審査の内容はどのようなものなのか。その内幕が語られる機会はなかなか無いなりが、ITmediaに審査内容をまとめた詳細な記事が出ているなりよ。興味深い内容なので、少し見ておくことにするなりね。

「BREWアプリを一般に公開するには、まずauの公式コンテンツプロバイダとなり、公式サイトを持たなくてはならない。公式コンテンツプロバイダになるには法人であることが必須条件なので、例えば個人で『面白いBREWアプリを開発したので公開したい』と考えても、それはできないということになる」
「審査には、短くても2〜3週間、開発にも数週間〜数か月必要だ。検証も『早くて1か月を切るくらい』はかかる。つまり、BREWアプリを申請してから公開できるようになるまで、最短でも2か月は必要ということになる」
「BREWアプリは(iアプリに比べて)自由度が高く、例えばカメラやバックライトといった携帯のハードウェアとの連動も簡単だ。かなり自由なことができるだけに、コンテンツプロバイダが意図しなくても、インフラや端末に大きな影響を与えてしまう恐れがある。またアドレス帳データなどの重要な情報にもアクセスできるため、アプリがそのような重要なデータを消してしまう、といったことも起こるかもしれない。このような事態に備えて、最低限の安全性を確保しなくてはならない、というのが基本的な考え方」」
「審査の軸となるのは3つ。『ある程度の市場規模が認められること』『アプリの新規性』『実績」だ」

といった具合に、実際に公開するまでには相当なステップを踏む必要があるなりね。その理由に関しては記事内で語られているように、BREWアプリの仕様がiアプリに比べて高機能で、端末のハードウェア部分と連動させることもできるため、セキュリティ面で万全を期するために必要なステップだと考えているようなりよ。まあ確かに年々、高機能化していくアプリをダウンロードしてみたら、バグがあって端末がフリーズしてしまった……なんてことでは困ってしまうなりからね。KDDIの方針も理解はできるなり。

「クオリティの高いアプリを提供する」という質重視の考え方(=KDDI)と、「ユーザーの選択肢を増やす」という数重視の考え方(=NTTドコモ)はどちらが正しいというわけでは無いなりが、現時点では後者のほうが市場のニーズには合っているような気もするなり。まあ公開までの時間がかかる点はKDDI側も課題のひとつとして捉えているようなので、今後は徐々に改善されていくだろうし、auユーザーの一人としてBREWアプリの拡充には期待したいなりよ。iアプリに勝るラインアップを揃えるのはもはや至難の業なりが、ユーザーに不満を抱かせない程度にはラインアップを充実させていって欲しいものなり。

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