大自然のなかの音楽フェスティバル、フジロックを体感 その1。

2005/08/03 09:01 Written by コジマ

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弊サイトでも直前予習をした「FUJI ROCK FESTIVAL'05」の1日目(7月29日)に行ってきたのだ。大粒の雨と人混みでごった返すなか、音楽と自然、そして美味しい屋台料理を満喫。大好きなバンドで盛り上がったり新しい発見があったりと、日本最大の音楽フェスティバルを十二分に体感してきたのだ。

この日の出演者はこちら を参照。ヘッドライナーのフー・ファイターズをはじめ、コールドプレイやハイロウズなどすばらしいステージを披露したのだけれど、ザ・ポーグスや忌野清志郎らの大御所のステージも圧巻。とにかく、一日にありえない組み合わせのバンドがたくさん見られるのが音楽フェスティバルの魅力。特に実績のあるフジロックは海外からのトップ・ミュージシャンが多数来るので、1日1万6000円という値段も納得してしまうのだ。

この日のぼくの行動を記すのだ。
宿泊先の越後湯沢から、混雑しているシャトルバスを避けて大奮発のタクシーで現地に到着したのが12時半。すでに全ステージでの演奏が始まっており、ズンドコズンドコ山々にこだまする音楽がいやがおうにも気分を盛り上げる。そこへ水を差すような大粒の雨が。しかし、場外ショップエリアで生ビールを1杯飲んでいるうちに上がったので、いざ出陣。入場ゲートを超えると、RED MARQEEで演奏中のロシア出身のバンド、ナイト・スナイパーズによる「島唄」が聞こえてくる。とりあえずご飯を食べようと、シンプル・プランが演奏を終えたばかりのメインステージであるGREEN STAGEやソイル&“ピンプ”セッションズが出演していたWHITE STAGEを超えて、朝霧食堂など屋台が展開するAVALONへ。途中、グッズ売り場の行列に辟易したり、川に飛び込む若者たちを見ながら20分ほど歩いて到着。ヨダレをふきふき屋台を物色し、アフリカ料理の屋台でケバブ・ライスや朝霧食堂のシチューをAVALONわきのORGANIC VILLAGEの芝生に座って食べる。目の前では白井貴子がバンドを率いてアフリカン・ミュージックを奏でており、まわりには自然食品や天然素材のアクセサリー、泥でシャンプーする屋台などがあり、とてもピースフルな雰囲気。しかし、ここで一転して最悪の状況になったのだ。

治りかけの風邪のせいかはたまた屋台の食べ物があたったのか、にわかにお腹の調子が悪くなった。友達が「おい、顔が土の色してるぞ」っていうくらい。急いでトイレに向かい、半端ない腹痛と闘いながら10分間こもっていると、ボタボタと屋根を打つ音が。また大粒の雨が降ってきてしまったのだ。2日目の30日は1日中雨だったそうだけど、この日も相当雨に悩まされたのだ。お腹の調子が治まってきたので、トイレを出て場外ショップエリアで購入したレインコートを羽織りみんながいたORGANIC VILLAGEに向かうといないではないか! さらに携帯電話を取り出してかけてみるものの、混雑しているようでまったく通じないのだ。しばらく雨宿りしながら何度かけてみても結果は同じ。ハイロウズのステージが始まる時間がせまっていたので、一人でGREEN STAGEへと向かった。

ぐちゃぐちゃになったGREEN STAGEまでの道を、雨だけど楽しげに会話する人たちを尻目に一人で黙々と歩く。くそう、着いて早々、なんでこんな淋しい思いをしなくてはならないのだ。GREEN STAGEに到着すると、最初に通りかかったときにビールを買ったステージわきにあるハイネケンの売店の前でしばらく待ってみたけれど、いっこうに現れないので、土砂降りが収まってきたころに入場制限必至のモッシュ・ピットへと一人で入っていったのだ。

モッシュ・ピットとは、押し合いへし合いの「モッシュ」が許されているステージの真ん前のエリア。ダイブもしまくりなので、周りはぼくより若くて血気盛んそうな人たちばかり。ちょっと気後れしながらも、電話をかけ続けていると、ついにザ・ハイロウズ登場!! 今まで観たどのライブよりステージに近い! ヒロトが、マーシーが、すぐそこで歌いはじめたのだ。そして、いきなりのオーバー・テンションで暴れまくる若者たち。「えーっ」と引いてしまい、後ろのほうで隠遁観覧を決め込もうとしていたのだけれど、「不死身のエレキマン」でプルプルと武者震いしだし、「俺軍、暁の出撃」で耐えきれずにモッシュしまくっている集団に突っ込んでいってしまったのだ。うーん、三十路間近の大冒険(笑)。ランシドやノーエフのライブを思い出させるのだ。さすがにダイブまではしなかったけど、ホント「混沌と混乱と狂熱」の世界。雨と汗でステージ前に湯気が立ち上っていたのだ。それに負けじと、40歳を超えたとは思えないステージを繰り広げるハイロウズ。間近で見たヒロトの髪には白い物が混じっていたけれど、顔をくしゃくしゃにしながらは暴れ回る姿はロック少年そのものだったのだ。

MCでは、ヒロトが「ぼくが尊敬するマディー・ウォータースもサニー・ボーイ・ウィリアムスンもエディ・コクランも…立てなかったステージに、こんなチンピラみたいなヤツらが立ってて申し訳ないというか…」とフジロックへの思いを語り、なぜか「キャン・ユー・スピーク・ジャパニーズ?」を連発。そして次で謎が解けたのだ。「1つだけ日本語に訳せない言葉があります。それは『Rock'n'Roll』です」。うおお、しびれるぜい。彼らのステージは、「もし『Rock'n'Roll』を日本語に訳すとしたらこうなるんだぜ」というものに思えたのだ。

しかし、1時間飛び跳ねっぱなしで、終わってみると最初っからとてつもない疲労感。今日1日持つか心配になったのだ。

つづく

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