米有名女優のホラー映画出演、「悪趣味」は昔の話に。

2005/07/19 17:30 Written by コ○助

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かつて、ハリウッドにおけるホラー映画のポジションは「B級映画」。これまでホラー映画の名作と呼ばれる作品は幾多もあり、興行的に成功した作品もたくさん存在しているなりが、いずれも「マニア向け」「低予算」「チープ」といった言葉が付きまとうのが常だったなりよね。また、「ハリウッド映画らしさ」の象徴でもある、大物の俳優が出演することも少なく、どうしても「B級映画」のイメージを払拭することができずにいたなり。でも、近年はホラー映画のポジションが「B級映画」から、言うならば「A級映画」に格上げされつつあるなりよ。

フジサンケイビジネスアイによれば、ホラー映画のポジションを変えたのは、1991年に公開されたジョナサン・デミ監督の「羊たちの沈黙」から。アンソニー・ホプキンスという大スターを起用し、アカデミー賞を獲得したことで、「ホラー映画にも出演する価値がある」という認識を植え付けたというなり。

そして1999年に公開されたM・ナイト・シャマラン監督の「シックス・センス」によって、ホラー映画はさらなる転機を迎え、極端なオカルトに走らずに、上質な作品にまとめた作風が観客の支持を受けるという新しい平野を開拓。その後のホラー映画の在り方に大きなインパクトを与えたなりね。「羊たちの沈黙」や「シックス・センス」がいわゆるホラー映画なのか、という点はまた別の議論を呼びそうなりが、前者は猟奇事件、後者は心霊現象を描いている、という意味では、広義のホラー映画と捉えても決して間違いではなさそうなり。

こうした積み重ねによって、興行的に旨味があり、作り方によっては高い評価も得られるホラー映画の製作に各スタジオが力を入れ始め、洗練された作品が次々と登場。日本映画のリメイク版である「ザ・リング」が1億2,676万ドル(約140億円)を稼いだのは記憶に新しいところなりが、ジャパニーズ・ホラーのハリウッドリメイクブームも手伝って、今やハリウッドではホラー映画が活況を極めているなりよ。

公開されるホラー映画が次々とヒットを記録することによって、徐々に出演する俳優のランクも上がってきており、日本映画「仄暗い水の底から」のハリウッドリメイク版「ダーク・ウォーター」にはジェニファー・コネリー(「ビューティフル・マインド」でアカデミー賞助演女優賞)、「ザ・スケルトン・キー」にはケイト・ハドソン(「あの頃ペニーレインと」でアカデミー賞助演女優賞ノミネート)、「蝋人形の館」にはエリシャ・カスバート(米ドラマ「24」シリーズで人気の女優)やパリス・ヒルトンがそれぞれ出演するなど、ずいぶんと様変わりしてきているなりね。

有名女優が出演する機会が増え、スプラッター系の血が飛び散る作品ではなく、心理描写や心霊現象などにスポットを当てた作品が増えている昨今のホラー映画。旧来のホラー映画ファンにとっては物足りない作品が増えたとも言えそうなりが、ホラー映画ファンの裾野を広げていることは間違いないなり。怖い映画が苦手でホラー映画を敬遠してきた人も、作風が変わってきた最近のホラー映画を試してみてはいかがなりか?

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