Narinari.com読者がオススメするマンガ作品(第11回)。

2005/07/10 20:25 Written by コ○助

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「オススメのマンガ作品」で紹介した作品は、今回で50作品となります。振り返ってみると、結構な数になっていますね(笑)。でも、皆さんから投稿してもらったオススメ作品は、まだまだ山のように残されています。その中から、Narinari.com編集部がチョイスした作品を、できるだけ多く紹介していけるよう、更新ペースを上げて行くことにしましょう。(文・編集 Narinari.com編集部)

土田世紀 「同じ月を見ている」
「窪塚洋介主演で映画化されるそうですが、『同じ月を見ている』はオススメです。マンガで初めて涙を流しました。普段の生活で忘れかけていた大切な気持ちを思い出させてくれる作品です。」(ほんださん)
1998年から「ヤングサンデー」(小学館)に連載されていた「同じ月を見ている」は、「編集王」や「競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬」などの代表作を持つ土田世紀の作品の中でもファンが多い作品です。不幸な境遇で育ち、勉強もできず、周囲とのコミュニケーションが上手く取れない「ドンちゃん」こと水代元と、幼なじみで親友の医大研修医「てっちゃん」こと熊川鉄矢、そして同じく幼なじみで「てっちゃん」の恋人の杉山エミの3人の関係を軸に描かれた、人間味あふれるストーリーが多くの読者の共感を呼びました。平成11年度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しています。なお、今年11月には、故・深作欣司監督の息子、深作健太監督がメガホンを執り、窪塚洋介が主演を務めた映画版が公開されます。共演は黒木メイサ、山本太郎、エディソン・チャン(香港のトップスター。「インファナル・アフェア」「頭文字D」など)。

三原ミツカズ 「死化粧師」
「三原ミツカズの現在連載中のエンバーミング(死体を生前の姿近くまで戻す技術)を題材にしたマンガ『死化粧師』がおすすめです。」(kofさん)
2003年から「フィールヤング」(祥伝社)に連載中の「死化粧師」は、あまりマンガの題材になったことがない、エンバーマーという職業をテーマにした作品。エンバーミングとは、亡くなった人の状態を限りなく生前に近いものにするために、遺体に防腐処置や殺菌処理を施す技術のことですが、日本の「死化粧」をもう少し科学的な方法で突き進めたモノと考えれば良いかもしれません。このような技術自体は太古の昔から存在しますが、近年は「死者の復活」を信じるキリスト教圏を中心に、新たなニーズが生まれつつあるようです。そんなエンバーミングを手がける日本人エンバーマーにフィーチャーしたのが「死化粧師」。人の死に直面したときに、どのようにその人を送り出してあげるべきかを考えさせられる作品です。

曽田正人 「シャカリキ!」
「『シャカリキ!』(曽田正人)です。『め組の大吾』や『カペタ』もいいですが、原点はこれ。自転車のマンガですが、競輪じゃなくてツールドフランスみたいなやつ。ただ、この人の描く天才はヤバいです」(じゅうべえさん)
1992年から「少年チャンピオン」(秋田書店)で連載されていた「シャカリキッ!」は自転車(ロードレース)マンガ。一般的に曽田正人は、平成10年度の文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞し、ドラマ化もされた「め組の大吾」のマンガ家として知られていますが、「シャカリキッ!」はデビュー作ながら単行本全18巻という、なかなかの大作です。ストーリーはどこもかしこも坂だらけの「坂の町」で育った主人公・野々村輝が、自転車で坂を上り続けることで生きる実感を手にし、やがてロードレースに目覚め、成長していく姿が描かれています。とにかく熱い「シャカリキッ!」を読むと、ロードレーサーが欲しくなると評判の作品です。

新井英樹 「キーチ!!」
「新井英樹作『キーチ!!』を推します。暴力衝動の中にやさしさの本質を持つ3歳の輝一。両親の愛情に泣きます。新井作品は好き嫌い分かれますが是非! キーチ!! 生きてるって素晴らしい!!」(chubeyさん)
2001年から「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載されている「キーチ!!」は、なかなか言葉では表現しづらい作品。新井英樹の作品全般に言えることですが、やや破壊的、絶望的な傾向にあるので、chubeyさんがコメントしてくれているとおり、好き嫌いがハッキリと別れてしまうかもしれません。「キーチ!!」の最初から衝撃的なスタートを切るので、気になる人はぜひチェックしてみて下さい。

北崎拓 「たとえばこんなラブソング」
「これが本当に少年誌の漫画なのか!? 最初は普通の高校生の青い恋と青春を描いているのがだんだんと話がすすむにつれて『オイオイ、どうなるんだよお前たち!』ってハラハラする展開。少女マンガとも違うヤキモキとイライラ、かつ恋愛モノにあるじれったさが心地よいままどんどんと本気で登場人物の恋の行方を心配してしまい、最終回直前では『こんな泥沼な!』な佳境を迎えてラストの数ページで一気に○○○エンドを迎えます(読んで欲しいからハッピーかバッドかは秘密)。かっこわるい位の純愛ブリが心地いい。ヒロインの瞳のひねくれっぷりも、そのライバルのこずえの健気ぶりも、また主役が優柔不断(ありがち)がたたって後半の泥沼っぷりも……まさしく青春の1ページです。ドラマ化して欲しい完成されたストーリーにも脱帽だけれど、本来北崎拓という作者は特撮モノに強く、よくもまあこんな恋愛を描ききった! と脱帽。女性にもぜひぜひ」(むぎーさん)
「ふ・た・り」などで知られる北崎拓が、1991年から「ヤングサンデー」(小学館)に連載していたのが「たとえばこんなラブソング」。タイトルからして王道の恋愛モノ、題材もありがちではありますが、そこは数々の恋愛マンガを世に送り出してきた北崎拓なので、最初から最後まで、息つく間もなく読み込んでしまう力があります。高校生の不器用な恋愛模様、そして三角関係の葛藤や苦悩が見事に描かれています。むぎーさんのコメントにあるように、ドラマ化されないことが不思議な感じのする作品です。

(つづく)

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