東京・浅草寺でほおずき市始まる。

2005/07/09 14:28 Written by コジマ

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東京・入谷の朝顔市とともに、下町の夏の風物詩であるほおずき市が、東京・浅草にある浅草寺で今日から始まったのだ。今年はヨシズ張りの露店250店が軒を連ね、朝から訪れている多くのお客さんを相手に、売り子の威勢のよいかけ声が響いているそうなのだ。

ほおずき市は、元禄ごろに始まった観音さまの功徳日、「四万六千日」に、観音さまがご本尊の浅草寺境内で参拝客にほおずきを売る毎年7月9、10日開かれている市なのだ。今年は運良く土、日曜日の開催とあって、浅草観光連盟は2日間で60万人の人出を予想しているのだ。昨年紹介した江戸風鈴とカゴが付いて1鉢2500円前後で販売。ちなみに功徳日とは、その日にお参りすると100日とか1000日参拝したことになるという、ポイントアップ・サービスデーのようなもの。四万六千日はその最大のもので、この日に参拝すると4万6000日分のご利益が得られるのだ。浅草寺ではほおずき市が始まる9日ではなく、最終日の10日なのでご注意を。

ほおずき市で売られているほおずきは、大きな朱色の実の「丹波ほおずき」と小さな緑色の実をたくさん付ける「千成ほおずき」の2種類があるのだけれど、東京都内で唯一「千成」をつくる江戸川区の島村米一さんは、今年限りで引退するのだそう。戦後の一大産地だった江戸川区は、1960年ごろには30軒以上いた生産者が70年代に都市化の波にのまれて激減。主流の生産地は静岡県や茨城県に移り、島村さんが「江戸前」最後の生産者となっていたのだ。

赤くて実が大きい、いわゆる「ほおずき」としてよく見る「丹波」よりも栽培が難しいという「千成」。江戸時代の市ではこちらが主流で、薬用としても使われていたのだそう。島村さんは江戸時代からの伝統的なつくりかたを頑なに守ってきたのだとか。島村さんのほおずきを目当てに毎年来る客がいるほどの人気とのことなので、引退が惜しまれる。今年のほおずき市は、そんな「千成」にも注目したいのだ。

また、ほおずき市に合わせて20年間、浅草・木馬亭(東京都台東区浅草2-7-5)で「ガマの油」や「南京玉すだれ」などの江戸時代からの大道芸を披露する定例公演を行っていた浅草雑芸団(上島敏昭代表)が、「マンネリ化を避けるため」(上島代表)、今年で最後にするのだとか。うーん、これもぜひ観たいのだ。

ほおずき市が始まれば、梅雨明けはもうすぐそこ。あとは、暑〜い夏がやってくるのだ。今日の東京は、どんより曇り空で涼しい気候。お近くの方は、残り少ない過ごしやすい日を満喫しながら、散歩がてら浅草寺を訪れてみては?

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