映画「戦国自衛隊1549」のハリウッド編集版を世界公開へ。

2005/06/30 10:10 Written by コ○助

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15億円の製作費と、3,000人に及ぶエキストラ、そして陸上自衛隊の全面協力と、日本映画としては破格の条件で製作された「戦国自衛隊1549」。前作「戦国自衛隊」から四半世紀の時を経て、大幅に進化した特撮技術を活かした内容の作品になっているなりが、ネット上の評判を見る限りでは好意的な論調が目立つようなりね。コ○助もオリジナル版の「戦国自衛隊」を子どもの頃に観て衝撃を受けた経験を持つので、どのようにリメイクされているのか確認しなくてはならないと思っているなりが、ズルズルとまだ観ることができずにいるなり。早く観に行かないと公開が終わってしまいそうなりねぇ……。

さて。「戦国自衛隊1549」は自衛隊が戦国時代にタイムスリップすることで起きる混乱を描いた作品なりが、この設定やストーリー展開に興味を持ったのが「リーサル・ウェポン」シリーズのプロデューサーを務めたジェニー・ルー・トゥジェンド氏。自らプロデューサーに名乗りを上げ、「編集し直したい」と交渉を持ちかけて来たというなりよ。

具体的にどのような編集を施すのかというと、日本版の映像に未公開のシーンを追加し、迫力を増すためにCGでデコレーション。ハリウッド映画さながらの、ドッカンドッカン的なシーンが「戦国自衛隊1549」に加えられるなりね。音響面についても、ハリウッドの技術を活かして、迫力あるモノに生まれ変わるようなりよ。日本映画のアクション映画は、とかく「迫力がない」「スケール感がない」「リアリティがない」とないない尽くしの作品が多いなりが、アクション映画の本場の手が入ることで「戦国自衛隊1549」がどのように生まれ変わるのかは、ちょっと楽しみなところではあるなり。

ただ、心配な点も。この作品の肝でもある歴史背景に関しては、大胆にも日本の歴史の知識がなくても理解できるように編集し直すというなりね。世界配給を目指すようなのである程度の再構成は仕方ないと思うなりが、戦国時代を舞台にした作品なのに、果たして「日本の歴史の知識がなくても理解できる」レベルにまで落とし込むことができるのかどうか。結局、ジェニー・ルー・トゥジェンド氏が求めているのは「タンクとサムライが戦争してるぜ。ワォ!」(想像)といったビジュアル的なインパクトだけなのかな、という感じが伝わってくるなりが、実際のところはどうなりか。

年末に公開されるアメリカを皮切りに、イギリス、ドイツ、ロシア、ウクライナ、韓国、台湾、香港、シンガポール、メキシコなど計31か国で「SAMURAI COMMANDO MISSION 1549」のタイトルで上映が決定している「戦国自衛隊1549」。日本映画が海外に飛び出して行くのは素敵なことなりが、派手に生まれ変わるハリウッド編集版によって自衛隊の「力」が曲解され、意図せず摩擦を生むようなことだけはありませんように。やや心配な国での公開も控えているようなので……。

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