NBAファイナルでスパーズが優勝、MVPはティム・ダンカン選手。

2005/06/25 06:19 Written by コジマ

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4月23日から始まった米バスケットボール協会(NBA)のプレーオフ。2か月を経て、ようやくチャンピオンが決まったのだ。11年ぶりに最終戦までもつれたデトロイト・ピストンズ対サンアントニオ・スパーズのファイナルは、81-74というロースコアでスパーズ(4勝3敗)が2002〜03シーズン以来、2年ぶり3度目の優勝を決めたのだ。

双方とも守備が売りのチームらしく、
第1戦 84-69(スパーズ)
第2戦 97-76(スパーズ)
第3戦 79-96(ピストンズ)
第4戦 71-102(ピストンズ)
第5戦 96-95(スパーズ)
第6戦 86-95(ピストンズ)
第7戦 81-74(スパーズ)
と、全体的にロースコアだった今年のファイナルだけど、第1、2戦でのスパーズの“マニュ”ことアルゼンチン出身の金メダリスト、エマニュエル・ジノビリ選手の大活躍、第4戦でのピストンズの大逆襲(唯一100UPの試合)はすごかったのだ。そして、圧巻だったのはスパーズが延長のすえ勝利し、優勝に王手をかけた第5戦。

第1、2戦の活躍がウソのように、すっかりその“点取り屋”っぷりがナリを潜めてしまったジノビリ選手だけでなく、チームの中心、ティム・ダンカン選手まで大事な場面でフリースローのヘタっぴぶりを披露してすっかり意気消沈していたスパーズ。この危機から終盤の重要な局面で救ったのが、“優勝請負人”、“ミスター・メイ(5月の男)”の異名を持つ控えフォワード、ロバート・オーリー選手なのだ。

第3クオーター終盤まで無得点だったオーリー選手は、“優勝請負人”の本領発揮。第4クオーター終了間際、ピストンズがリードしそうになるところを、ファイナル歴代1位の成功数を誇る3ポイントシュートで追いつき、延長戦へ突入。スパーズの大黒柱ダンカン選手にシュートをさせじとファールをしてでも止めにくるピストンズのディフェンス陣。ダンカン選手がファールをもらってもフリースローがぜんぜん入らないためなのだ。しかも、今季の最優秀守備選手のベン・ウォレス選手がぴったりとマーク。うーん、これはきつい。そして、強烈なドリブルで斬り込んでくるジノビリ選手も1対1(ワン・オン・ワン)やドライブに精彩を欠き、嫌なムードがただよっていたのだ。そして残り1分43秒、ピストンズが95-91と4点リードしていたところへ、3ポイントシュートを警戒しているピストンズの隙を衝いてオーリー選手がドライブ&豪快なダンクシュートを決めて2点差にすると、今度はご自慢の3ポイントシュートで逆転。優勝につながる勝利をもたらしたのだ。

1993〜94シーズンのヒューストン・ロケッツ対ニューヨーク・ニックス戦(なんと、ここにオーリー選手がロケッツの一員として参加していたのだ)以来、11季ぶりに行われたファイナル最終戦もなかなかの試合で、48-39と劣勢だった第3クオーターで踏ん張ったのが、それまでフリースローミスやらパスミスを連発していたダンカン選手。ここで59-59と食らいつき、第4クオーター残り10分でジノビリ選手がダンクを決めると、ダンカン、ジノビリ、オーリー、ブルース・ボウエンの各選手が外からビシバシと得点。リードを守りきって優勝を決めたのだ。

第1、2戦でジノビリ選手にかき回されたピストンズは、同選手とダンカン選手を徹底マークしていたのだけれど、伏兵のオーリー選手への対応がいまいちだったのだ。

そして、ファイナルMVPは平均20.5得点、14.1リバウンド、2.1ブロックでダンカン選手が、マジック・ジョンソンとシャキール・オニール選手と並ぶ、NBA歴代2位タイとなる3度目の受賞を果たしたのだ。栄誉ある賞だけでなく、チームリーダーとして重圧がかかるなかでの優勝は、大きく成長させたのではないだろうか。この自信は、同選手を来季からいっそう恐ろしい存在させるのだ。ぼくの応援するニュージャージー・ネッツと同じカンファレンスじゃなくてよかった……。

ちなみに、優勝に大貢献した控えのオーリー選手は、現役選手最多、マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、カリーム・アブドゥル・ジャバーと並ぶ歴代8位タイ(それ以上は50年代後半から60年代の13シーズン中11シーズンで優勝したボストン・セルティックスの選手ら)となる6つめのチャンピオン・リングを手に入れたそうだけど、本人は「5つのリングが家のどこにあるか分からない。クローゼットの上にあると思うけど…。探すのに1日掛かっちゃう」と、まるで無頓着。そんな性格が、プレッシャーがかかる重要な場面で発揮する力に関係しているのかもしれないのだ。

来季はどんな選手がすばらしいプレーを披露し、どのチームが勝ち残るのか。早くも興味がわいてきちゃうのだけれど、とりあえずは、おもしろいシーズンをありがとうと、NBAに所属するすべての選手に言いたいのだ。

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