経験は一攫千金のチャンス!?なアメリカの現状。

2005/06/17 12:38 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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以前何度かnarinari.comでも紹介したことのある「ランナウェイ・ブライド」ことジョージア州はアトランタにお住まいの、ジェニファー・ウィルバンクスさん。結婚式の直前に突然姿を消した彼女を探し出すために、警察および市民ボランティアが大規模な捜査活動を展開したのが4月のこと。誘拐の疑いもあるとして全米メディアでも大きく取り上げられましたが、なんとウィルバンクスさん発見後、自作自演の虚偽誘拐だと発覚しました。

この騒ぎで、行政当局が費やした捜索費用がなんと4万ドル(日本円にして約440万円)。これだけのお金が無駄に使われたとして、ウィルバンクスさん側に損害賠償を求めることも検討したとか。結局ウィルバンクスさんがその費用の一部を負担(13,000ドル=約140万円)することで話がついたのですが、確かに人騒がせなニュースでありました。

ちなみにウィルバンクスさんは「警察に対する虚偽の通報と証言」という罪で有罪判決も受けてしまったとか。2年間の保護観察処分と120時間の福祉労働が言い渡されており、さらに精神科クリニックでの治療の続行なども課され……。まあ、確かに妥当なペナルティかもしれません。とにかく今後はこれ以上人に迷惑かけない生活をと、自他共に望んでいるそうです。

ところが本日CNNで報道されたニュースによると、ウィルバンクスさんは今回の騒動を中心人物として、その「経験」をテレビ番組にする契約をしたというのです。なんだそりゃ?

実はアメリカではこの手の契約が珍しくありません。全米が注目する事件の渦中にいる人が、後日その知名度と経験を利用して、そのストーリーを書籍化やテレビドラマ化するためにメディア側と取引するのです。イラクで捕虜になった女性兵士のジェシカ・リンチさん。妻と誕生前の息子を殺害したとして逮捕・死刑判決を受けたスコット・ピーターソンの裁判で有力な証言をした元恋人、アンバー・フレイさん。彼女たちもいわゆる自分が望まない、不幸な事件に巻き込まれてしまった人々ですが、その後はその経験を元に、かなり多額のお金を受け取ったそうです。

しかしウィルバンクスさんの場合、自分で起こした事件で多くの人達に迷惑をかけ、さらにその後それをネタに契約金をゲット……。地元ではその軽率な行動に、眉をひそめる人も多いとか。たしかにちょっとちゃっかりしすぎている感もありますねぇ。

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