大学のブランド価値向上へ、あの手この手の取り組み始まる。

2005/06/15 21:52 Written by コ○助

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少子化の影響で、大学・短大の進学希望者と実際の入学者が同数となる「大学全入時代」が2007年度にも到来すると見られているなりが、そんな状況下でも学生を確保するべく、各大学がブランド価値を高めるためにいろいろな方策を採り始めているなりよ。私立大学を中心に、経営が立ちゆかなくなり倒産する大学も出てくるであろう「大学全入時代」。どのような取り組みをしているのか、日経流通新聞の記事を元にしながら見ていくことにするなりね。

例えば明治学院大学では、昨年10月に「明治学院大学ブランディングプロジェクト」を発足。東京・六本木ヒルズにある「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」のディレクションなどを担当したアートディレクターの佐藤可士和氏と連携し、スクールカラーや学校名のロゴを全面的に刷新するプロジェクトを推進してきたなり。そして今年4月から新しいスクールカラーとロゴを採用した学生証と学生手帳などの配布を始め、秋からはサッカー部や野球部など体育系5団体のユニフォームを刷新。「新生明治学院大学」を全面的に打ち出す方策を採り始めているなりね。

この取り組みについて、佐藤可士和氏は次のように語っているなり。(明治学院大学公式ページより

「教育機関は、企業と違って危機意識があまりないことが大きな違いですね」
「教育や医療はコミュニケーションする気が薄く、待っていれば人が来てくれるという受身の態勢ですね。そのため、自分からのアピールが少なく、外から見てそれぞれの特徴や理念が良くわからないという状態です」
「自分の大学を好きになるようなこと、大学に誇りを持って、ここの学生であることが楽しければ、自ずとモチベーションが高まり、大学を良くすることに繋がります。そんな貢献ができれば良いと思っています」
「人って見えるものから受ける影響は大きく、逆を言えば、見えたことしか理解できない。だから、『見かけ』は大切です。その『見え方』をコントロールするのがアートディレクションです」
「見せかけのイメージを上塗りするのではなく、外から明確に見えていない部分を含め、今までの明学の活動をひっくるめて表現したい。それを一つのロゴに集約して、カラーやグッズをとおして共有できるシンボル創りが僕の仕事ですね」
「数年後に、『明学って変わったよね』『なんか良くなったよね』って言葉が聞けたら、『やった』って思う最高に快感な瞬間でしょうね」

さすがにトップクリエイターだけあって、「なるほど」と思う言葉が散りばめられているなりが、「自分の大学を好きになるために貢献する」というのは素敵な考え方だと思うなりよ。人それぞれ、その大学に入ることになった経緯は違うわけで、誰もがその大学を好きで入学するわけでは無いなりからね。でも、好きになるための環境を整えてあげるという大学側の姿勢は新しいし、そこに外部のトップクリエイターが携わるというのも面白い試みなり。

また、大阪芸術大学は卒業生や在学生などの作品を掲載した「大学漫画」という、年4回発行の漫画雑誌を発刊。今年度から新設したキャラクター造形学科の学科長で、「子連れ狼」などで知られる作家の小池一夫氏が責任編集を務める本格的な雑誌となっているなりよ。全国の大手書店で販売されているなりが、その内容がなかなか面白そう。例えば創刊号の「2005年春号」の内容を見てみると。

インタビュー:山口貴由/ハロルド作石/安野モヨコ/村上かつら/浅野いにお
デビュー漫画再録:高橋留美子「勝手なやつら」/ 西村しのぶ「D-アウト」
対談:上條淳士×柴崎友香 / 鳥肌実×デハラユキノリ
誌上講義:小池一夫のキャラクター原論
表紙イラスト:永井豪

結構凄いメンツかも(笑)。この雑誌を通して大阪芸術大学出身の人材を紹介し、同学科をアピールするのが狙いなりが、確かにこれだけのメンツが集えばちょっと気にはなるなりよね。この道に進もうと考えている人には効果的な感じがするなり。

ほかにも例えば京都大学は電通と組んで企業スポンサー制度を導入したり、早稲田大学は「ワセダベアー」のグッズ展開をしたり、東京大学はリクルートのクーポンマガジン「ホットペッパー」を立ち上げた竹原敬二氏を招聘してPR作戦を展開したりと、さまざまな取り組みがなされているなりね。すでに大学を卒業してしまった人も、これから大学を受験しようと思っている人も、こうした取り組みの中には興味深いものも多いので、ぜひ注目してみて下さいなり。

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