柴咲コウ、オダギリジョー主演映画「メゾン・ド・ヒミコ」が完成。

2005/06/09 05:52 Written by コジマ

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ゲイ向け老人ホームを取り上げた異色の映画「メゾン・ド・ヒミコ」。その内容だけでなく、全編にわたってほとんどノーメイクで演じたという柴咲コウや、ゲイ役のオダギリジョーも話題になっているのだけど、今秋公開の同作品の完成披露試写会が、東京・渋谷のシネマライズで行われたのだ。その舞台挨拶で、先日、映画俳優宣言をし、チャン・ツィイーとの共演が話題の「オペレッタ狸御殿」(鈴木清順監督)はじめ今年は出演映画が目白押しのオダギリジョーは、「自分でも好きな作品。いいぜ俺、みたいな感じ」と自画自賛。柴咲コウも「オダギリさんは何をやってもかっこいい! すべてがかっこいい! 立ち姿もすてきです」とベタぼめで、演じた沙織については「仕事をしていない時の自分と似ている」とコメントしているのだ。

監督、脚本は2003年公開の映画「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心と渡辺あやのコンビ。音楽は細野晴臣が担当しているのだ。ストーリーは、
ゲイである父・卑弥呼(田中泯)を嫌い、存在を否定しながら生きてきた24歳のOL、沙織(柴咲コウ)。ある日、その沙織のもとに春彦(オダギリジョー)という若い男が訪ねてくる。父を愛する春彦は父ががんで死期が近いことを告げ、一緒に父が営むゲイ向けの老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」を手伝わないかと誘う……。(毎日新聞)
となっていて、かなりきわどく、重たい内容だけど、犬童監督らしい乾いた感じの雰囲気のよい作品なのだ。

沙織の父・卑弥呼役を演じる田中泯は、日本現代藝術振興賞受賞やフランス政府より芸術文化騎士章を授与されるなど国内外で評価されている舞踏家で、舞踊資源研究所や桃花村舞踊団を主宰するほか、なぜか農事組合法人桃花村を営んでおり、研究熱心で独自性の高い舞台芸術家なのだ。映画の舞台挨拶では、「重いものを背負った卑弥呼役に入り込んだ。柴咲さんと同じく私の地に近い」とコメント。昨年公開された「隠し剣 鬼の爪」(山田洋次監督)以来の映画出演に満足げなのだ。

「メゾン・ド・ヒミコ」公式サイトで見られる特報の出演者クレジットで、ひときわ目立つ「洋ちゃん」という名前。老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」の住人役を演じる彼(彼女)は本物のゲイで、東京の新宿2丁目(オカマやゲイが集う場所)に飲み屋「洋ちゃんち」を経営しているおじいちゃん(おばあちゃん)なのだ。実は昨年末にひょんなことからこの洋ちゃんにお会いしたのだけれど、西田敏行やデヴィ夫人らと若い頃から交流があり、ウィットとユーモアに富んだとってもチャーミングな人なのだ。

お会いしたときに「メゾン・ド・ヒミコ」出演の話を聞かせてもらったのだけれど、撮影中ずっとそばにいてくれたというオダギリジョーのことを、「ジョーちゃん最高なのよ! 優しくてかっこよくて、本当にいい男」と評し、大事そうにクリアファイルに入れている彼からもらった手紙を見せてもらったのだ。ほかにも「(柴咲)コウちゃんも冷たそうに見えるけど、本当にいい子。ジョーちゃんほど一緒にいれなかったけど、オカマでババアのアタシの話をちゃんと聞いてくれたのよ」、「アタシが演技するたびに、監督が『うまいねえ〜』と褒めてくれるの。アタシずぶの素人なんだけど、『その演技は洋ちゃんしかできないよお』だなんて。ノセられちゃったのかしら。うふふ」と本当に嬉しそうに話してくれたのだ。

そんな可愛い洋ちゃんも出演する「メゾン・ド・ヒミコ」は、東京・渋谷のシネマライズ、新宿武蔵野館、池袋シネマサンシャインほかで、初秋にロードショー公開予定で、前売り特別鑑賞券は奇才の写真家・平間至撮影のポストカードセット付き1500円で発売中なのだ。

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