ミュージシャンっていうのはとにかく悪いヤツが多い。特に米国や英国のミュージシャンは、先日インタビュー記事が載ったオアシスのノエル・ギャラガーの弟、リアムをはじめ、音楽ができなかったらとてもじゃないけど一般社会で暮らして行けないじゃないの？　って人ばっかりなのだ。なかには本気でコワイ人もいるけど、悪ガキ程度だったら、見ているぼくらにとっては逆に好感が持てたりするのだ。近しい人たちとってはえらい迷惑なのだろうけど。そんな音楽界の悪童ベスト20を決める投票（20 Baddest Boys In Music）が、音楽情報サイトMuchMoreMusic上で行われたのだ。

さて、“栄えある”1位に輝いたのは、昨年12月にオリジナルメンバーで再結成したヘビー・メタルバンド、モトリー・クルーのドラマー、トミー・リー。トミー・リーの過去の素行はホント悪童そのままで、毎日が殴り合いだったそう。しかも、対戦相手にはガンズ・アンド・ローゼズやボン・ジョヴィなどのビッグネームが名を連ねているのだ。最近では、米国のリアリティ番組に出演し、大学生になってドラムラインに参加するというかわいい一面も見せていたりするけど、悪童っぷりはおさまったのかなあ。ちなみに、モトリー・クルーは11月にツアーで来日予定だとか。パツパツの皮のブリーフはもう履かないのだろうか。

ランキングを見てみると、

　 1.　トミー・リー（モトリー・クルー）
　 2.　エミネム
　 3.　ジーン・シモンズ（KISS）
　 4.　50セント
　 5.　リアム・ギャラガー（オアシス）
　 6.　ジム・モリソン（ドアーズ）
　 7.　アクセル・ローズ（ガンズ・アンド・ローゼズ）
　 8.　キース・リチャーズ（ローリング・ストーンズ）
　 9.　ジョニー・ロットン（セックス・ピストルズ）
　10.　スヌープ・ドッグ
　11.　オジー・オズボーン
　12.　イギー・ポップ
　13.　ボビー・ブラウン
　14.　スコット・ウェイランド（ベルベット・リボルバー）
　15.　キッド・ロック
　16.　デビッド・リー・ロス（元ヴァン・ヘイレン）
　17.　ジェリー・リー・ルイス
　18.　ロビー・ウィリアムス（元テイク・ザット）
　19.　リック・ジェームス
　20.　ビリー・アイドル（元ジェネレーションX）

と、80年代ハード・ロックとヒップ・ホップが見事に上位を占めているのだ。西海岸ヒップ・ホップ界の首領ドクター・ドレーはランクインしていないけれど（まあ、ドンがバッドボーイにランクインしたらおかしいのだ）、2位のエミネム、4位の50セント、10位のスヌープ・ドッグは彼の子飼いたちで、3人も“弟子”がランクインするとは、さすが首領なのだ。“ブリット・ポップのイカれた悪童”リアム・ギャラガーをはじめ、“元祖悪童”のキース・リチャーズや“元祖アナーキスト”ジョニー・ロットン（ジョン・ライドン）、“ガレージ・パンクの王子さま”イギー・ポップなど英国勢も健闘。ぼくはジョニー・ロットンの写真をPCの壁紙にしているくらい好きなので、もう「過去の人」感があるなかでのランクインはとてもうれしい。その衝撃がいかに大きかったかを物語っているのだ。

故人であるジム・モリソンが入っているなら、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスやニューヨーク・ドールズのジョニー・サンダース、ラモーンズのジョーイ・ラモーンがランクインしていてもおかしくないのだけれど……。同世代のビリー・アイドルよりぜったいこの3人のほうが悪ガキなのだ。悪の代名詞になっているマリリン・マンソンの名前も挙がっていないけど、彼の場合は悪ガキの次元を超えているのだ。

余談だけど、1位のトミー・リーの奥さんだったセクシー女優のパメラ・アンダーソンは、15位のキッド・ロックと婚約→解消、ランクインしていないものの、リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストとの仲も噂されたのだ。悪童好きなのか？