秋庭俊氏が指摘する東京の「巨大地下網」の存在。

2005/05/09 19:40 Written by コ○助

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東京の地下研究の第一人者にして、最近メディアへの露出が激しい秋庭俊氏。ここ数年来の「東京地下の謎」ブームの仕掛け人なりが、コ○助も東京に四半世紀以上住んでいることもあって、この手の話題にはガッツリと食い付いてしまうなりよ(笑)。秋庭氏は何冊か東京の地下に関する著書を出しているなりが、若い人を中心に本屋で立ち読みしている人の姿を見かけることが多いなりね。もちろんコ○助もその一人であり、2冊ほど実際に購入して手元にあったりするなり。

秋庭氏が指摘する「謎」は、戦後に建設された巨大地下建造物の多くは、江戸時代から終戦までに軍事目的に作られた地下空間を再利用したものではないか、というもの。地下鉄や巨大地下建造物の不思議な構造などから、本来どのような目的で作られた地下空間なのかを研究しているなりね。まあ国家機密に触れる部分でもあるので、あまりちゃんとした結論は出さずに謎は謎のまま終わるのがパターンなりが、そこが逆に想像力をかき立てられて面白かったりするわけなり。

そんな秋庭氏に対するインタビュー記事がスポーツ報知に出ていたなりよ。新聞のインタビュー記事はまだ見たことがなかったので、少しチェックしておくことにするなりね。

「(国会議事堂の下には)3本の地下道がある。その出口に議員会館を造った。国会議事堂と首相官邸と、ホテルニューオータニや赤坂プリンスホテルもつながっているという話です」
「(東京の地下鉄は)戦前、戦争に勝つために22年分の予算がつぎ込まれて造られた。当時の戦争では、(敵対する)相手が上陸して首都が陥落するまでやるのが常識。本土決戦までやるつもりで巨大地下網を造った。それらをうまく処理して地下鉄が敷かれたんです」
「地下網は皇居などの下も通っている。もしオープンにすると警備が大変。また、東京大空襲の時、国民が銀座線の駅に駆け込んできたが、政府は中に入れさせず、10万人以上が焼け死んだ」

コ○助の手元には、秋庭氏の著書「写真と地図で読む! 帝都東京 地下の謎」(洋泉社ムック)があるなり。寝る前などに何度も読み返してしまうなりが、その中から、いくつか秋庭氏が指摘している「謎」をピックアップしてみるなりね。

・高野山東京別院の地下に建造された巨大な変電所
→広大な敷地を持つお寺の地下に、なぜか地下五階、36メートルの深さに東京ドームの半分ほどの大きさの巨大な変電所「東京電力 高輪変電所」がある。お寺の地下を掘るという罰当たりな行為をなぜ寺院が認めたのか。それはもともと地下に巨大空間が存在し、その後に建築されたからなのではないか。

・1997年に開業した、変な構造の地下鉄の溜池山王駅
→まだ新しい溜池山王駅は変な構造をしていることでも有名な駅。階段を下りるとすぐに上り階段になっていたり、連絡通路がやけにジグザグしていたり、無駄に広いスペースが存在していたり、駅構内の案内図の真ん中に「空洞」が存在していたり。このようないびつな設計は、永田町の裏という場所柄、巨大な防空壕をつなぎ合わせて作られたものなのではないか。

・日比谷界隈の「地下4階」の駐車場
→日比谷公園のすぐそば、日比谷シティと呼ばれる一角に建つ日本プレスセンター、富国生命、日比谷国際ビルの3棟。この3棟は資本も系列も異なるのに、地下3階と4階の壁をぶち抜き、巨大な2層の地下駐車場として利用している。また、日比谷シティ近くの飯野ビル、東京桜田ビル、りそな銀行なども地下4階に駐車場が作られている。揃いも揃って同じような深さに駐車場があるのは不自然。この界隈の地下にはかつて巨大な地下建築物が存在していたのではないか。

・地下鉄南北線の後楽園〜東大前間にある「埋められた扉」
→目黒と赤羽岩淵を結ぶ地下鉄南北線の後楽園〜東大前間で窓の外を見ていると、トンネルの壁に規則的に並んだ扉のようなものを発見することができる。すでにコンクリートで埋められているが、純粋に南北線のトンネルを造るのであれば最初から全面の壁を造れば良いはずで、扉を規則的に配置する理由はない。もともと存在していた地下道を再利用したものなのではないか。

と、いった具合に、東京の地下鉄や地下街で気が付いた疑念を掘り下げて、そこに以前何があったのかを研究しているなりね。多くは巨大な防空壕や地下に張り巡らされた秘密道路のようなものが再利用されているのでは? という結論に行き着くなりが、闇に閉ざされ、検証することができない地下空間だけに、想像は広がっていくなりよ。ただ、残念なのはほとんどは疑問の提起で終わっていて、謎は謎のままというところ。関係者の口が固く閉ざされ、国家機密に関わることなので仕方がないとは思うなりが、もう一歩の踏み込みが欲しいと感じるのは確かなり。

とはいえ、実際どの程度の信憑性ある話なのかは分からないなりが、ひとつの読み物として読むには興味深い話ではあるなりね。斜に構えずに読むと面白い話がたくさん出てくるので、興味がある人はぜひ秋庭氏の著書をチェックしてみて下さいなり。

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