昼夜交代勤務で前立腺がんリスクが3.5倍に。

2005/05/03 01:06 Written by コジマ

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前立腺は、男性だけが持っている精液の一部を作り出す臓器で、恥骨の後方、膀胱の下方にある。この臓器のがんは、米国人男性がかかるNo.1のがんで、日本でも高齢化や食生活の欧米化などから、最近増え続けているそうなのだけれど、食生活だけでなく、勤務形態も影響しているという結果が出たのだ。

24時間操業の工場や鉄道、ホテルなどの交代制職場で働く男性は、おもに昼間働く日勤職場の男性に比べ、前立腺がんになる危険性が3.5倍になるという研究結果が、文部科学省が助成する大規模疫学研究によって明らかになったのだ。不規則な勤務による体内時計の乱れなどが原因と考えられているそうな。

前立腺がんの死亡者は、欧米では男性がん死亡者の20%にものぼり、日本でも2000年で約7814人、10万人あたり12.2人が亡くなっている、結構怖い病気なのだ。

上記の職業だけでなく、お巡りさんやタクシーの運転手、救急病院へ勤務する人たちも当てはまるんじゃないかと。そして、ぼくらめちゃくちゃな時間で勤務する出版社の人間も人ごとではないのだ。

かといって職業を変えるわけにはいかないので、どの病気でも共通することだけど、きちんとした食生活(食物繊維を多く摂るとよいそうな)や禁煙、禁酒など、ほかにリスクを上げる要因を排除して防ぐしかないのだ。そして何よりも、ある程度の年齢までいったら定期的に検診を受けるの一番。前立腺がんは進行の遅いがんだそうで、新しい治療法も出てきたし、天皇陛下や森喜朗・前総理大臣のように早期発見なら比較的治る確率が高いらしいのだ。

「前立腺って男性だけの臓器でしょ? あたし昼夜交代勤務だけど平気ね!」と安心している女性の方も要注意。今回の研究では、心筋梗塞などの虚血性心疾患(心臓を動かす筋肉への血流が滞って心臓に障害が起きること)が発生するリスクも2.8倍になるという結果も出ているのだ。

体に悪くても仕事をしなきゃいけないご時世、男性も女性もせめて仕事以外のところで弱った体をいたわってあげたいのだ。でも、禁煙・禁酒はムリかなあ(笑)。

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