「セカンドベストの選択」堀江貴文社長インタビュー。

2005/04/23 14:24 Written by コ○助

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ニッポン放送の経営権を巡るフジテレビとライブドアの攻防は、ニッポン放送株をフジテレビ側に譲渡することや、ライブドアが実施する第三者割当増資(約440億円)をフジテレビが引き受けること、今後の協業について検討する「業務提携推進協議会」を設置することなど、両社が資本・業務提携を結ぶことで一応の決着を見たなりが、一連の動きを総括するような、ライブドアの堀江貴文社長のインタビューが産経新聞に出ていたなりよ。和解合意以降、堀江社長がメディアのインタビューに応じるのはこれが初。かなり長い内容で読み応えがあるインタビューだったので、どのような記事なのか少し見ておくことにするなりね。

「(和解したのは)善は急げ。タイム・イズ・マネー(時は金なり)だ。持っている金の利回りを考えないといけない。ニッポン放送株を寝かしていたら、これは何も生まない」
「(フジテレビに)うちは出資したかったが、フジテレビがNG(=だめ)だったからですよ。これで交渉がまとまらなかった」
「(フジテレビに出資するのも、出資されるのも)どっちでも同じでしょう。われわれがフジテレビ株をもって、さらに買い進むというなら話は別だが。それにフジテレビはNGだったから、セカンドベスト(次善の策))を取るしかない」
「コンテンツをネットで流そうなんて別に思ってない。著作権がそんなに面倒臭いんだったら、やりたくないですよ」
「(情報は)今はインターネットというものがあって編集をしなくてもいい。1次的な素材を編集なしに流せたり、ひとりの優秀な記者が独立して発信できる環境が整いつつある」

盛んに報じられてきたライブドアがフジテレビの持つコンテンツをネットで配信するというプランについて、このインタビューでは「著作権がそんなに面倒臭いんだったら、やりたくないですよ」とあっさりと断念する意向を示しているなりね。でも、ライブドアがニッポン放送やフジテレビへの資本参加を通して実現を目指した「放送と通信の融合」の具体案として、堀江社長が提示していたのは主にこの点だったはず。結局、堀江社長の「放送と通信の融合」という風呂敷はこの程度のモノだった、と言われても仕方なさそうなコメントなり。

また、堀江社長のメディア感についても触れているなりが、現在の主要メディアが行っている「情報の編集」について否定的な見解を示しているなりよ。ネットの発達によって情報を編集することなく流したり、組織に依存しない記者が情報を独自発信することができるようになったため、「今までのメディアは衰退していくだろう」とも語っているなりね。

コ○助も情報を伝える人間の端くれとして思うところがあるなりが、情報は編集するからこそ、見やすく整理されて読み手に伝わるものであり、人の手が加えられない垂れ流しの情報にはそれほど価値があるとは思わないなりね。もちろん、堀江社長が言わんとしている「速報」や「タレコミ」といった情報がインターネットならではの利点として挙げられるということは分かるなりよ。でも、メディアは信用の上に成り立っているものであるということを踏まえて、「メディアとしての信用性」を高めることをちゃんと考えているならば、「1次的な素材を編集なしに流す」なんて発言は絶対に出てこないと思うなりね。まあ何が正しくて、何が悪いということでは無いので、ライブドアはきっとそう在り続ける、というだけの話なりが。

残念ながらこのインタビューでは、フジテレビやニッポン放送との今後の協業についてのプランは語られていないので、まだ今回の資本・業務提携によって何が変わるのかは未知数。本当の意味での業務提携に発展させることができるのか、それとも単なる和解のための形骸化した提携になるのか。まだまだ両社の動向から目を離すことができなそうなりね。

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