サッカー・ワールドカップの「伝説」が映画化。

2005/04/19 13:11 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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1950年、ブラジルで第4回サッカー・ワールドカップが開催されました。前回の第3回大会の開催が1938年。第二次世界大戦によって長い間中断されていたスポーツの祭典が再開された、記念すべきイベントだったのです。

戦後の混乱がまだまだ余波として続く最中に行われた同大会では、出場を棄権する国が相次ぎ(ちなみに占領下のドイツと日本には出場資格がなかったそう)、実際に大会に出たのは13国。その中で優勝候補は南米チームかイングランドだと見られていました。そのイングランドと予選リーグで戦ったのが、サッカーの実力では他国にとうてい及ばないアメリカ。力の差が大きすぎる対戦だったのです。

何故なら英チームがプロの最強選手のみを選別してきて作られたエリート集団だったすれば、その当時の米チームはアマチュアの寄せ集めに過ぎない弱者たち。ところが、ふたを開けたらこの対戦は、なんと1-0でアメリカの完封勝利。これはサッカー・ワールドカップの歴史の中でも衝撃的なニュースとして知られています。なんでもイングランドでは、同国チームが負けたという新聞記事に対し「印刷ミスだろう」という抗議が沢山寄せられたほどだそうです。

ところで、この歴史的試合をテーマにした映画が制作されたそうなのでその話題でも。この "The Game of Their Lives" というタイトルの作品は、ジェフリー・ダグラス著の同名小説(日本語でも「ワールドカップ伝説 奇跡を起こした11人」というタイトルで出版されています)が原作の伝記的ドラマ。今月22日の劇場公開に先がけて、昨日セントルイスでプレミア上映会が行われました。

はて、なぜサッカー映画がセントルイス?と疑問に思うのですが、実は1950年ワールドカップはこの都市にとっても、大いに関係のある大会だったのです。なぜなら奇跡的な勝利をもたらした11人の選手たちのほとんどが、この街出身のイタリアン・アメリカンだったから。セントルイスには「ザ・ヒルズ」という、イタリア系米国人の多く住む地区があるのですが、ここに今でも元選手が生活しているのだそう。実際、この映画自体もセントルイスの町並みをそのままに撮影されたのだとか。

"The Game of Their Lives" は「ルディ/涙のウイニング・ラン」等の作品を手がけたのデヴィッド・アンスポーが監督。主役は先に公開された「オペラ座の怪人」で、日本でも知名度を上げたジェラルド・バトラーです。日本公開の予定はまだ判りませんが、サッカー・ファンの方、バトラー・ファンの方、チャンスがあればぜひご覧になってみてくださいませ。

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