甲子園球場の南に巨大マンション群、「浜風」に影響か。

2005/04/13 04:09 Written by コ○助

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甲子園球場での阪神戦をテレビやラジオの中継で聞いていると、必ず一度や二度は出てくる「浜風」という言葉。阪神ファンなら誰でも知っている言葉なりが、他球団のファンやあまり野球に詳しくない人にとっては「浜風」と聞いてもピンと来ないかもしれないなりね。

「浜風」とは、阪神が本拠地に構える甲子園球場に吹く海風のこと。太陽の日差しで内陸部の地表が暖められると上昇気流が発生するため、瀬戸内海沿岸では海面から内陸の中国山地方面に向かって風が流れ込むなりが、甲子園球場付近では浜の方向から風が吹いてくるために「浜風」と呼ばれているなりよ。ちなみに阪神の応援歌の名称にもなっている「六甲おろし」は六甲山から吹き下ろしてくる風のこと。六甲山は甲子園球場の北に位置しており、南に位置する瀬戸内海からくる「浜風」とは真逆の風向きの風なりね。

なぜ「浜風」が阪神戦の中継の際に連呼されるようなものなのかといえば、この「浜風」が阪神の選手のバッティングとは切っても切れない関係にあるから。甲子園球場の「浜風」はライトからレフト方向に、強い時には風速10メートルを超えることもあるなりが、この風に巧く乗せるようにバッティングすることで、本塁打となるケースをよく目にするなりね。例えばミスタータイガースと呼ばれた掛布雅之内野手や、1985年の優勝の原動力となったランディ・バース内野手などは「浜風」無くしては伝説的な活躍をすることはできなかったのではないか、と言われることもあるほど「浜風」を効果的に使ったバッティングを見せていたものなりよ。

それほど阪神にとっては重要な意味を持つ「浜風」なりが、数年前から「『浜風』が消滅するのではないか」との話が流れていたなりね。その理由は甲子園球場の南、瀬戸内海からの「浜風」の通り道となっている場所(競輪場跡地)に、14階建て、高さ40メートルのマンションが計4棟、幅250メートルという巨大なマンション群の建設が決定したから。甲子園球場とは500メートルも離れていない近接地に屏風のようなマンションが建つことは、完全に「浜風」を遮ることになるのではないかと、建設計画の段から懸念されていたなりよ。

そしてマンションは今年3月に完成し、「mapaグリーンラグーナ甲子園」という名称で分譲されているなりが、現在のところその影響は未知数。ただ、神戸海洋気象台は「マンション建設の影響が全くないとは言えない」と、「浜風」が消滅する可能性を示唆しているなりね。まだオープン戦から開幕から数試合を経た現時点では「浜風」に大きな影響が出ているとの報告は見られないなりが、シーズンが終わって振り返ったときに、ひょっとすると「今年は『浜風』に乗った本塁打を見るシーンが少なかった」と思うことになるかも? 阪神戦の中継を見たり聞いたりするときには、今年は「浜風」の状況にも注目しておきたいところなり。

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