ミュージカルになって再映画化される「プロデューサーズ」。

2005/03/27 12:53 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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(この記事には映画のネタバレが含まれる可能性があります。ご注意下さいませ)

「ヒトラーの春」("The Springtime for Hitler")という歌を知っていますか?一瞬ギョッとするタイトルのこの歌は、1968年に制作された映画「プロデューサーズ」に出てきます。映画の劇中劇に登場する、バカバカしくもお気楽に明るい(!?)オペラ調の主題歌なのです。

メル・ブルックス監督、ゼロ・モステルとジーン・ワイルダー出演で大ヒットしたこのコメディ作品は、同年のアカデミー脚本賞を受賞しました。その後もクラシック映画の傑作としての位置付けで、アメリカでは今でも時々テレビで放映されています。

売れない演劇プロデューサーと会計士が故意に「史上最低の劇」を上演した上で打ち切りにさせ、スポンサーから制作費と騙して集めたお金を懐に納めようと詐欺計画を立てます。これを軸にハチャメチャストーリーが展開されるのですが、この「史上最低の劇」こそ、冒頭に登場した「ヒトラーの春」。ナチ礼賛のとんでもないシナリオのミュージカルです。映画を観ている私達はジョークだと判っているのですが、そのプロットの酷さに一瞬目が点になるような舞台なんですよ(笑)。

しかもヒトラー役の男優がナヨナヨっとした感じで最高に面白いキャラ。劇中劇なのでほんの一部のシーンが観られないのが、たったひとつの不満でしょうか。

さて、この「プロデューサー」。近年ブルックスがブロードウェイ・ミュージカルとしてリニューアル。演出をスーザン・ストローマンが担当し、主役をネイサン・レイン(「バードケージ」 −1996年−)と、マシュー・ブロデリック(「フェリスはある朝突然に」 −1986年−)
の2人が演じました。そして2001年に「ミュージカル界のアカデミー賞」とも言われるトニー賞の全13部門中、なんと12部門を独占受賞。まさに空前の作品となったのです。ちなみにこの舞台がセントルイスにやってきた時、ウォール真木も観に行ったのですが、歌が最高にノリノリで楽しかったです。そういえば日本でも今年の7月に上演されることになっているんだとか。

そして1年ほど前、どこぞのニュースでこのミュージカルが今度はまた「映画版」として制作されることになったということを耳にして、ちょっと驚きました。だって 映画>ミュージカル化>再度映画化 ですよ?ややこしいったらありゃしない(笑)。

主演はミュージカルそのままの配役でレインとブロデリックが担当。その他にコメディアンのウィル・フェレル(「スタスキー&ハッチ」 −2004年−)などが脇を固めます。ブロデリックの恋人役となるスウェーデン人の美人秘書は、最初ニコール・キッドマンがキャストされるという噂でしたが、結局ユマ・サーマンが抜擢されました。サーマンは最近「キル・ビル」のキャラの影響でタフなイメージがあるのですが、この超ブリブリでお色気たっぷりの美人秘書役をどう演じるのか、個人的に今から観るのが楽しみだったりします。

映画版ミュージカルの「プロデューサー」はただ今撮影の真っ最中。今年の暮れには公開となる予定です。ミュージカルとお気楽コメディーがお好きな方は是非チェックしてみて下さいな。

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