H・スワンクに罰金を課したニュージーランドの検疫制度とは。

2005/03/15 12:10 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ヒラリー・スワンクといえば、先月27日に受賞セレモニーが行われた第77回米アカデミー賞で、見事2度目の主演女優賞を獲得した女優。まだ31才という若さからすれば、その実力はもうお墨付きといった感じですね。

でもウォール真木が彼女に注目しているのは、オスカー級の演技力ではなく、彼女のスクリーン外でのボケたキャラです(笑)。「ボーイズ・ドント・クライ」(1999年)で最初のアカデミー主演女優賞を貰った時、受賞スピーチの時にいろんな人にお礼を述べたのに、会場の席でさっきまで自分の隣に座っていた自分のご主人の名前を言い忘れた。先月のアカデミー賞の授賞式の直後、イブニング・ドレス姿のまま、ハンバーガー店に立ち寄り、手にしていたオスカー像をテーブルにどんっと置いて、巨大バーガーをぱくついていた。いろんな意味で大物さを感じさせる言動じゃないですか(爆)。

ところで、この大物ヒラリーなんですが今年の1月にニュージーランドに旅行した際、空港でちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまったのだとか。なんでも入国時に申請を義務付けられていた果物(リンゴとオレンジ)を書類に明記しなかったため、荷物持ち込み検査の際に、その場で200ニュージーランドドル(日本円で約1万5千円)の罰金を言い渡されてしまったのです……。

かばんに2つ果物が入っていて、それを申請し忘れただけで有無を言わせず罰金!だなんてかなり厳しいと思いますが、実はこれニュージーランドでは通例の基準なんだそうです。

ニュージーランドは島国という土地柄、独自の生物が沢山生息しています。この生態系を守るために、以前からこの国では独自の検疫制度を実施していました。海外から新しい生物や病原体が入ってきては困るということですね。そして近年ではイギリスや他国で狂牛病、口蹄疫など農業国であるニュージーランドの経済を脅かす病気が発生しました。そこでこれらの進入を事前に食い止めるため、空港での生物検疫がさらに厳しくなったのです。

具体的にこの検疫制度はどんなことをするかというと、まず旅行者は全員検疫カードと呼ばれる申請書に記入をしなければなりません。これには「食物を持ち込んでいるか」「最近、農場などを訪れたか」「木材で出来ている物をもっていないか」といった質問が書いてあり、これに正しく答える必要があります。面倒だからと記入漏れがあったりすると後で大変なことになるのです。

空港ではこの申請書に書かれたことが正しいかどうか、3レベルにも及ぶ厳しいチェックが待っています。まず犬が荷物の周りを歩き回り、食べ物の匂いがしないかどうかを確認。その次に検疫担当官に申請書を渡すのですが、この時もかならず質問攻めです。少しでも疑わしい場合などは即「荷物検査」。そしてそれもクリアしたとしても最後はX線で荷物をひとつひとつチェックされます。もちろん刃物なんか探してません。探しているのは申請漏れのあるかもしれない物品。

そしてこれらの検査で実際に食べ物等が見つかった場合、先の罰金の登場。それこそ例外なく言い渡されるのだそうですので、ニュージーランドにご旅行の予定のある方はぜひ気を付けてくださいませ。

ちなみにヒラリー・スワンクは弁護士をニュージーランドの裁判所に派遣して、罰金の異議申し立てをする予定だとか。でもその弁護士代だけで軽く罰金以上の出費になると思うんだけど……。まあお金のことは関係ないのか。大物女優だから(笑)。

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