恋人同士「最後の1回」が招いた悲劇。

2005/02/24 03:28 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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(このコラムにはショッキングな内容が含まれております。心臓の弱い方、お食事中の方、お子様はご遠慮下さい……)

とある週末、アラスカはアンカレッジで起こったおぞましい事件です。44才のジャックさん(仮名)が、ガールフレンドと大喧嘩になり、結局別れ話にまで発展。

で、このままさっさと別れれば良かったのですが、ジャックさんてば、最後の最後でちょっと下心が出てしまったのです。これで彼女とのいわゆる「恋人同士としての行為」も出来なくなるなぁ、と「最後の1回」をすることに。ワケわからん(苦笑)。まあ、同意する女性の方も理解しがたい。

しかしガールフレンドの方には、実は恐ろしい復讐のアイデアが。頭に血が上った彼女、一見普通を装い

「ねえ、最後なんだしぃ。ちょっとアブないプレイしてみないー?」

とばかり、ジャックさんをベッドに縛りつけてしまったのです。そうして身動きとれない彼を残してキッチンに消えた彼女が再び現れた時、その手にはナイフ。それを見たジャックさんの絶叫……

「ぎゃあああああああ!」

その後の出来事は想像を絶します。なんと彼女は、ジャックさんの大切な部分を切り取ってしまったそう。まさに阿部定(*)です。さらに、その局部はトイレに流して処分。

その後ガールフレンドはジャックさんを車にのせて病院まで送り届けたそうですが、その冷静さが逆に怖いですね。その後警察がその家に到着した時も、血の付いた床などをきれいに掃除していたんだとか……。

警察はすぐさま彼女を逮捕。切除された局部のありかを女性から供述させました。そして急いで配管工を呼び出してトイレの下水を調べると、幸運にもトイレのパイプに引っかかっているブツが発見されたのです。

急いで病院に持ち込まれた局部は、なんとその後の手術でジャックさんの体に縫合されたそうで。医学ってすごいですね。しかし、トイレの中を旅してきた体の一部をくっつけて、本当に大丈夫なんでしょうか?

とりあえず、ジャックさんの回復を祈りましょう。

*「阿部定(あべ・さだ)事件」

1936(昭和11)年5月18日、東京荒川区の宿「満佐喜(まさき)」に3日前から滞在していたカップルの男性が惨殺死体で発見される。赤い絹ひもで絞殺され、周囲や体に「定吉二人キリ」などと血液や刃物の傷で書かれていた。さらに男性の局部が切り取られ持ち去られていた。

被害者は中野区で「吉田屋」という鰻料理屋を営んでいた石田吉蔵(きちぞう)と判明。朝から姿が見えなくなっていた連れ合いの女性は、その女中の田中かよ(本名:阿部定)と判り、指名手配される。

事件の3ヶ月前「吉田屋」で働き始めた定は、すぐに主人の吉蔵と関係を持つようになり、料亭などに泊まりこんでは情事を繰り返すようになった。しかしその内、懇意の仲を吉蔵の妻とくに知られてしまい、事件の3週間ほど前に2人は家出をする。定は吉蔵を自分だけのものにしたいと思うようになる。

定は昔芸者をしていた時に知り合った男性などから金をもらいつつ、吉蔵と宿をはしごして、乱痴気騒ぎを繰り返した。その後一旦別れるものの、やはりお互い忘れることが出来ずに再び逃避行。すでに何度か足を運んだ「満佐喜」で行為の最中に吉蔵の首を締めたところ、吉蔵は

「お前は俺が眠ったらまた首を締めるのだろう。その時はそのまま緩めないでくれ。ひと思いに苦しまないよう殺してくれ」

と定に言う。そして5月18日の朝、定は吉蔵に言われた通り強く締めて殺してしまう。

吉蔵が動かなくなった後、定は愛しい吉蔵の一部を肌身離さず持っていたいと、彼の局部を切り取ってしまう。これは定の最大の愛情表現であった。後の供述で

「それは、一番可愛い大事なものだから。そのままにしておけば湯棺の時に、お内儀さんが触るに違いないから、誰にも触れさせたくなかった」

と話している。2日後の5月20日に、品川駅前の旅館にいたところを逮捕された。

阿部定事件は、当時センセーショナルなニュースとして日本中で話題になった。この事件を元にした映画も数本作られ、特に大島渚監督の「愛のコリーダ」(1976年)は日本のみならず海外でもヒットした。

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