「暖かく見守りたい」 ゲイのペンギン・カップルに動物園がコメント。

2005/02/20 13:33 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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スタンフォード大学教授、ジョアン・ラフガーデン博士の著書 "Evolution's Rainbow: Diversity, Gender, and Sexuality in Nature and People"(「進化の虹:人類と自然界における、多様性、ジェンダー、そしてセクシュアリティ」)によると、人間社会に限らず動物界でも同性愛が存在するそうで。確認されているだけでも300以上あるのだそうで、別に珍しいことではないのだとか。ちなみに彼女の著書のタイトルに出てくる「虹」は、同性愛のシンボルとしても欧米では結構有名です。

例えば、小笠原諸島などに生息するハンドウイルカには、時にオス同士が集団で行う同性愛行為がみられ、繁殖期のニホンザルのメスの間でも一部にそういった行動がみられるのだそうです。ウォール真木もインターネットでざっと調べてみたのですが、この他にもトカゲ、ゴリラ、などなど、いろいろ見付かったので興味深かったです。

さて、ドイツ北部ブレーマーハーフェン市営動物園に飼われているペンギンのカップルたちも、なかなか面白いケース。なんでもここにいるフンボルト・ペンギンの5組のカップルの内、3組に卵が生まれず、不思議に思った動物園が調べてみたら、それらがオス同士カップルだった……というのです。そりゃ、残念だが卵は生まれません。

ためしにメスのペンギンを檻の中に増やしてみましたが、熱愛カップル(オス同士)は見向きもせずに、離れようとしなかったそうで。逆にテリトリーに入ってきたペンギンを威嚇したりもしているとか。

まあ上記にある通り、自然界でも同性愛は珍しいことでもないのですが、動物縁側では今後も行動や飼育環境など、彼らを多面的に研究する予定だそうです。もちろん彼らを引き離すようなことはせず、そのまま「仲むつまじいので、暖かく見守る方針」だそうです。よかったね。

最後に余談ですが、冒頭に出てきたラフガーデン女史の名前。実は「彼女」の元の名前はジョナサンといって、男性のお名前なのです。そう、この教授は性転換なさった学者としても有名。ネットで写真を拝見しましたが、なんか可愛らしいおばちゃんといった感じで好感が持てます。

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