「iPod Shuffle」に対するライバル企業の反応は?

2005/01/14 22:21 Written by コ○助

このエントリーをはてなブックマークに追加


「iPod」でHDDオーディオプレーヤー市場を開拓し、今度は「iPod Shuffle」でシリコンオーディオプレーヤー市場を席巻しようとしているアップル・コンピュータなりが、早くからこの市場を築き上げてきた「老舗」メーカーが、「新参」のアップル・コンピュータの「iPod Shuffle」をどう捉えているのかは気になるところ。ITmediaに、そんなライバル企業から見た「iPod Shuffle」に関する記事が出ているなり。

それによると、シリコンオーディオプレーヤーの代表的なメーカー、Rioのプロダクトマネージャーを務めるダン・トレス氏は「フラッシュ分野に進出を果たしたAppleを歓迎する」とした上で、「Appleが完成度のあまり高くない製品を投入したことに、ある種の失望感を抱いている」とコメントしているなり。Rioがアップル・コンピュータの参入を歓迎しているのは市場が拡大されるとの見方が強いためで、これはライバル企業にとってもビジネスチャンスになりうるから。一方で、失望したというのは、液晶などを一切排除したシンプルな「iPod Shuffle」の類似製品は過去に失敗したケースが多く、顧客のニーズにマッチしていないという点を指摘しているなりね。

また、Rioと同じ「老舗」のクリエイティブのPRマネジャー、ラーラ・ヴァカンテ氏は「(Appleが)機能を絞った製品をリリースすることに非常に驚いた。もっと競争的な、革新的な製品を期待していたが、(iPod shuffleには)何ら目新しいものがない」とかなり批判的。両社ともに、「iPod Shuffle」はシンプルすぎるがゆえに、競合はしないと見ているようなりよ。

ただ、素朴な疑問として感じるのは、液晶を搭載して、FMチューナーを搭載して、録音機能を搭載して……と高機能化を目指してきたRioやクリエイティブのアプローチが、果たして本当に正しかったのか、ということ。シリコンオーディオプレーヤー市場は数年前に比べれば拡大はしているものの、最近はHDDオーディオプレーヤーに喰われている格好で、決して市場のパイは大きくは無いのが現状なりよね。

アップル・コンピュータがやろうとしていることは、これまでこの手の製品を手にしたことが無かった、もしくは興味もなかった層を一気に引きずり込もうとしているわけで、「iPod Shuffle」の投入によって、これまでこの市場を形成してきたユーザー層をガラッと変える可能性もあるなりね。そうなった時に、Rioやクリエイティブが安穏としていられるかと言われたら、それは「No」と言わざるを得ない状況に追い込まれるような気がしてならないなりよ。だって、Rioやクリエイティブが一般の人を巻き込むほどの魅力ある製品を投入して来られなかったのは事実なりからね。アップル・コンピュータの強大なブランド力と大規模なプロモーションによって、ライバル企業が駆逐される可能性だってあると思うなり。

果たして1年後。来年の今ごろ、シリコンオーディオプレーヤー市場がどのような勢力分布になっているのか注目しておきたいところなり。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.