ゲッティスバーグの不審飛行機、その正体は……?

2005/01/12 14:07 Written by Maki K Wall@駐米特派員

このエントリーをはてなブックマークに追加


ゲッティスバーグをご存知ですか?バルティモアから車で1時間弱の距離、ペンシルバニア州にある小さな町のことです。一見何の変哲もなさそうなこの土地は、実はアメリカの歴史を語るのに欠かせない場所でもあります。

時は1863年。南北戦争史上で「運命の3日間」と言われる戦いがゲッティスバーグで起こったのです。それまで優勢に立っていたリー将軍率いる南軍と、奴隷解放を求める北軍。3日間にわたるこの戦いは、両軍ともに多くの死傷者を出すという大激戦でした。その時命を落とした兵士の数は3,500人以上だとか……。しかし北軍がこの戦を制したことで、リー将軍は後進を余儀なくされます。そして南軍はそのまま劣勢に陥り、1865年には降伏宣言をして、南北戦争は事実上の終りを告げました。

ところでリンカーンの演説のひとつに「人民の、人民による、人民のための政治…」という、あまりにも有名なフレーズがありますよね。あれはゲッティスバーグの戦いの後に、この土地に国立墓地が作られ、その献納式典の時に大統領が行ったスピーチなのです。実際これは「ゲッティスバーグ演説」として後世に伝えられてるのです。

前置きが長くなりましたが、この歴史的に由緒のあるゲッティスバーグで昨年の6月、低空飛行で町の上空を廻旋する怪しい小型飛行機が目撃されました。9・11事件以降、飛行機を使って毒ガスをばらまく等のテロが懸念されてるアメリカで、このような挙動不審な飛行機が空を飛んでいたのですから、警察なども一時パニックに陥ったそうです。

警察官がフラッシュライトを使って危険な飛行を止めるようにシグナルを送りましたが、飛行機はその内視界から消えうせ、その後の消息も分からなくなったそう……。

それから6ヶ月余り。飛行機とそれを操縦していた人物が見付かり、一般市民を危険に巻き込みそうになった、という容疑で逮捕されました。犯人は2人の高校生。なんと飛行免許も持っていない若者だったそうです。

で、何故低空飛行をしていたのかと言いますと。なんと自分達の通う高校の建物に、空からバケツ1杯の生卵を投げつけよう!という、いかにも無鉄砲でな高校生が考え出しそうな、安直な理由だったそうです。何かと言うと、卵だのスイカだのカボチャだの投げつけるのが好きですなぁ、アメリカ人は(笑)。ところで飛行機は2人の片方の父親が所持するプライベート機。操縦していた息子は飛行免許も持っていなかったそうで……。なってこったい(笑)。

2人ともまだ未成人ということで、その氏名は公開されなかったのですが、しかし無茶な事をしでかしたものです。警察とご両親が、2人にしっかりとお灸をすえる事を期待しつつ、このコラムを終わらせることにしましょう……。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.